より人生が豊かになる働き方改革とは? ~Google Women will に参加して~
2017年11月2日
ライター:河野 芽久美

2017年9月21日、日本におけるGoogleの本拠地である六本木の、六本木アカデミーヒルズにおいて、「働き方フォーラム ~もっと女性が活躍できる広告業界を目指して~」が開催されました。

人生が豊かになる働き方改革

Googleといえば、世界のインターネット業界を牽引している第一人者であり、WEB広告業界のドン(良い意味で!)であり、加えて、私の中では、輝いている女性が多い印象があったため、何かのヒントを得られればと参加してまいりました。

なぜ、ヒントが欲しいかといえば、弊社の広告チームは2/3が女性であることが最大の理由。

現在から未来に向けて、「女性の働き方」を、どのようなヴィジョンとして描いていけば良いのか、彼女たちの未来のためにもオピニオンリーダーの意見を知りたかったのです。

くわえて、私は比較的古い人間なので、女性が働くことに対し、さまざまなネガティブな意識が刷り込まれている節があります(多くの同世代の男性も、私と同様の意識を持っているのではないでしょうか?)。

また別の角度から見てみると、私は、制作系の仕事をしてきた背景から、締切までに結果を出すことに「命懸けます」的な一面があり、ハードワーカー&ロングワーカーの部類に入ります。
つい、やり過ぎてしまう傾向があることも自認しており、それゆえ最近は、「疲れ」を実感することも多く、意識を変えなければいけない時期にきていると思った次第です。

ただでさえ実務がいっぱいの広告業界・WEB業界は、ハードワーカー&ロングワーカーの宝庫。そこで、このコラムでは、Googleのフォーラムのおさらいをしつつ、私たち一人ひとりの意識改革、働き方改革のきっかけ作りに貢献できればと思います。

  1. Google Women will とは?
  2. Google Women willのセッション内容
  3. 働き方改革、女性のためだけとは限らない!?
  4. 働き方改革は実際を知ることから
  5. Women will から Human will へ

Google Women will とは?

Google Women will とは?
https://www.womenwill.com/japan/about

日本においては2014年10月から開始された、女性が直面するさまざまな問題をテクノロジーによって解決することを目指すプロジェクトが「Women will」。

女性は、結婚・出産といったライフイベントによって仕事を辞めざるを得ない環境があったり、キャリアを積み重ねていく時期と出産・育児の時期が重なり、選ぶ事柄ではないことも天秤に掛けざるを得ない状況に陥ったりすることがあります。

昔はそれを当たり前のこととして、女性自身、その当事者自身も受け入れてきたのでしょう。

しかし今はどうでしょうか? 

できれば自立した生活を営めるように仕事をし、仕事した結果を評価してもらえるように磨き、会社に、社会に認めてもらい、貢献できる喜びを得たいと思う。女性だって、そう考えることに違和感はありません。

そうであるならばと、既存の望まざる環境を改善するためにテクノロジーにより問題の解決を目指す取り組みです。

Google Women willのセッション内容

このフォーラムは、広告代理店の女性リーダー候補および働き方改革・ダイバーシティ推進に関わる担当者に向けた内容で、3部構成で行われました。

1部は、グーグル株式会社の専務執行役員 CMOの岩村水樹(いわむら みき)さんによる講演。

『ワーク・スマート』という岩村さんご自身の著書を基に、ダイバーシティの重要性から「テクノロジーで働き方を変える」、「イノベーションを生む働き方」という2大テーマを軸にお話いただきました。

2部は、グーグル株式会社サーチ&ブランドマーケティング統括部長 平山景子(ひらやま けいこ)さんと3人のパネラーによるディスカッション。

企業の女性リーダー達が、自身が直面した事柄や企業に現存する問題に対して、どのように対処してきたか、どうやって解決していけば良いのかを体験談を交えながらお話いただきました。

3部は、「ワークライフ・バランス」「リーダーシップ」「人事評価・社内制度」「業界の文化・風土」の中から興味のあるテーマ別に、参加者全員が5-6名のチームに分かれてワークショップを行いました。

私が参加させていただいたチームは若い女性3名(内、新卒が2名)と男性経営者と私の5名編成で、老若男女・新人・ベテラン・中堅がそろった、まさにダイバーシティなチームで、リーダーシップについて話し合いました。

内容は割愛しますが、グラフィックレコーディングを活用しながら発表する試みが実施されましたので、各チームからの発表内容は、以下のグラフィックをご覧ください。

ワークショップグラフィックレコーディング

どのパートも興味深く、女性としてのライフイベントをいくつか経験している私としては共感できる部分の多い内容でした。しかし話を聴き進めるうちに、ふと疑問に思うことが。ちょっと待てよ、これって女性だけの話ではないんじゃない?

働き方改革、女性のためだけとは限らない!?

そもそも、これからの女性の働き方について、問題の解決策の導き方を知りたくて参加させていただいたのですが、ダイバーシティ:多様性を考えていくと、女性に限った話ではないと感じます。

確かに、日本では女性の社会進出は、まだ始まったばかりといえるでしょう。

となると、男性社会に女性を投入するのは、多様性を確保していく意味でも重要、という話になるのですが、今回、特に興味深く感じたお話は「テクノロジーの活用で働き方を変える」という部分。

ある意味、女性の問題は可視化しやすく、少子化などの社会的問題も含まれることもあり、出産・育児には物理的な時間が必要で、仕事との両立に悩む人が多いのでクローズアップされやすい一面があります。

ただ、物理的に時間が必要なことって、これ以外にもありますよね。

例えば、親やパートナーの看病・介護。自身の病気。その他、手がかからなくなった子供に対しても、許されるなら、接する時間を多く持ち、健やかな成長を促したいのが親心。

また、自身の趣味の領域であっても、ライフワークとして取り組む時間が持てれば、心が満たされ、その結果、仕事のパフォーマンスにつながるケースもあるでしょう。

女性だけに限らず、働く全ての人の「多様性」にフォーカスすることで、働き方改革の大枠が見えてくるのだと思いました。

今後さまざまな場面で、頭をやわらかくし、意識改革を含めて始めていかなければなりませんが、こうした大きな気づきを得られ、参加して良かったと心から思いました。

働き方改革は実際を知ることから

この9月21日の数時間で私は、多くの感銘を受けたのですが、では、いざ、それらを実施するにあたり思うのは、やはり、準備期間は必要だということ。

準備もなくただ「働き方改革」を闇雲に進めようとすれば、どこかにひずみやしわ寄せが生まれ、改革にはならずじまいで模索に戻る気がします。

また、「Work smart」「Work shorter」を実践しようと、急に、組織的に、ノー残業Dayや退社時間の制定をされてしまうと、仕事ができないことに不安を覚え、良質なパフォーマンスも出し切れない可能性があります。

今回のお話の中で出てきたテクノロジーは、主に「Google ハングアウト」と「Googleクラウド」で、「Work smart」を実践する上で在宅勤務を導入し、会議や社内セミナーなどはハングアウトで参加し、ファイル共有などはクラウドを活用することで、働く場所を選ばないから、自宅でやるべきことと仕事が両立できる、というお話でした。

上記を踏まえ、まず働き方改革を始める上で必要なことは、社員・チームメンバーの実際を知ることからではないかと思います。

それが手がかりとなり、どのようなテクノロジーを活用できるのかを検討し、現場に落としていく。その過程で、自社に合った、チームに即した内容で実践できる改革を、自ら選択し、形にしていくことが、皆が豊かな気持ちで過ごせる職場環境を構築する第一歩になる、と思うのです。

Women will から Human will へ

このフォーラムに参加している間、ずっと感じていたのが、とても手前味噌な話ではありますが、私は恵まれた環境で仕事ができている、ということ。

数年前まで、ほぼ男性社員が占めていた弊社ですが、現在は、各チームに1名は女性社員がいて、広告チームは冒頭で述べたとおり、2/3が女性社員です。
また全女性社員の中、約1/3に子供がおり、その中、3/4が義務教育以下のお子様を育てられている人となります。小さい子供に「まった!」はありませんので、育児と仕事の両立は、本当に大変だと思いますが、皆さん会社では笑顔で過ごされています。それを実現しているのは、会社上層部の配慮だと私は思っていて、感謝しています(決してゴマスリではありません!)。

弊社では今年の頭から、週1日の在宅勤務を仮導入しています。

初めの3ヶ月はお試し期間として、実際にやってみてどうだったかを皆で話し、パフォーマンスは下がらず、モチベーションが上がっているので、現在も継続中です。

もちろん、在宅勤務より社内で仕事をする方が良い人は、週5で出社しており、在宅勤務は強制ではありません。各自がより高いパフォーマンスを維持できるように、という意図で導入されていて、「Women will」というより、社員全員の「Human will」というイメージです。アユダンテの働き方改革は、着々と進んでおります。

最後に、ハードワーカー&ロングワーカーを自負する私の働き方改革は、どうなってるんだ、というところですが、会社の配慮もあり、仕事の整理整頓は大分進んでおります。

しかしながら、(業界に限らず同じような思いを抱いている方もいらっしゃるかと思いますが)、WEB広告に関わるさまざまな業務は簡素化されているわけではなく、仕様変更や機能追加、新媒体の参入など、日々、新たな検討課題が増える業界でもありますので、ハードでロングなところはあまり変わっていないかもしれません。

ですが、時間と仕事の配分を自分でコントロールできる分、働き易い環境を自身で作ることが可能となり、精神面・体力面共に、随分と健全になったのではないかと感じております。

また、レポートや予算管理などが可能なツールを導入することで、一部の業務負荷がテクノロジーで解消され、休日に自宅で作業する時間が圧倒的に減ってきております。

まだまだ働き方改革は始まったばかり。

まずは、実務の部分で、テクノロジーに任せられるところ、人の頭と手を必要とするところ、メンバーの役どころ等を明確にしながら、チームメンバー全員が幸せに、豊かな気持ちで、仕事に、人生に、精一杯取り組めるよう、自分自身も働き方改革を進めていこうと思います。

アユダンテ寳、河野

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この記事を書いた人
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河野 芽久美
シニアデジタル広告コンサルタント
自動車雑誌のライター、課金コンテンツ制作を経て広告運用の道へ。お客様の広告運用やレポ―ティングだけでなく、チーム内部のファイナンスを含む業務効率化、職務環境改善にも取り組む。得意分野は「求人」「不動産」「総合通販」。趣味は美味しいモノを食べること。
登壇実績: SEM ohenro茶屋 Vol.2(https://shift-web.co.jp/semohenro/)
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