※Web担当者Forumの連載「企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場」を更新しました。
今回の取材先は、コープこうべ様です。インタビュー、ライティングは『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』の著者 深谷歩さんです。
今回インタビューに応じていただいたのは、日本一古い生活協同組合 コープこうべ様。公式のTwitterアカウント1つと、広報と販促目的のFacebookページを2つ運用されています。
今回は年間売上197億円のEC事業「コープこうべネット」を統括し、Twitterなどソーシャルメディアの運用も管轄する浜地研一氏にお話を伺いました。
若い世代への認知拡大に向け、先進的なチャレンジ
日本一古い生活協同組合ながら、EC事業やネットコミュニティを2000年から開始。Twitterについては、新しいコミュニケーション手段として可能性やポテンシャルを評価し、現在ほど、その認知度が高くなかった2011年7月に公式アカウントを開設。常に先進的チャレンジを続けています。
午前中に訪問し必要な商品を伺って、午後にはその商品をお届けするという「御用聞き」のビジネスモデルから始まって、地域のコミュニティでまとめて注文しご近所で分けるという協同購入、現在は宅配と店舗販売と、利用者のニーズ、生活スタイルに合わせたビジネスを展開。
利用者の高齢化が進む中、若い世代における認知拡大を目的にソーシャルメディア運用を開始されました。
ユーザーと同じ目線に立った運用、話題のネタにも敏感に対応
親しみやすさを意識した投稿スタイルながら、食品の安全性などセンシティブな話題には真摯な姿勢で発信しています。「コープさん」についてのユーザーのツイートをチェックして、困っているユーザーにはアクティブサポートも。またユーザーの間で盛り上がっている話題もチェックしています。
販売を取り扱っているエリア情報誌に掲載された羽生結弦選手の情報をツイートしたところ、全国から注文が殺到。急遽WEBで申し込めるよう対応されました。
メロンパンの呼び方についてのご当地あるあるネタは、Twitter上で話題にしている人が多いことに気づき、「メロンパン論争」としてNAVERまとめを作成。この記事が一気に拡散、最後にはテレビ取材が来るほどの、話題となりました。
宅配時の「おすすめ」文化をネットで実現、売上に貢献
宅配サービスの際、担当者がその場で商品をおすすめするのと同じスタンスで、ネット上のユーザーに商品をおすすめしています。
地域の生協ということから、フォロワー数を増やすことよりも、密度の濃いコミュニケーションを目指して運用。それが功を奏して、売り上げに貢献。Twitterがコンバージョン成績のよいメディアとなっています。
コミュニケーションメディアゆえの課題と未来
ユーザーとの密度の濃いコミュニケーションを実現する一方、コミュニケーションツールだからこその、「運用の標準化」の難しさも感じておられます。今後に向けて、運用の際に体得されたノウハウなどのマニュアル化を検討。
今後は、ユーザーとのやり取りを通して、商品開発やサービス改善などに、ソーシャルメディアを活用していきたいとの抱負を語っていただきました。
「ソーシャルメディアでは、本来の目的とは異なる余興のような話題が盛り上がることもあります。話題を目にしたら間髪を入れずに突っ込み、たまに羽目を外すことも大事だと思いますね。」
「Twitterはユーザーと同じ目線から発信して関係を深めたいという思いで、親しみやすさを意識して発信しています。」
WEB担当者フォーラム
企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場
「Twitterは現代版御用聞き! 親しみのある会話で売上にも貢献/コープこうべ」
- 変わりゆく生協の姿、若い世代とのつながりを作る
- 親しみを感じられる距離感を意識
- ユーザーの話題にすばやく乗っかり、さらに話題を広げる
- Twitter+NAVER まとめからテレビ取材まで拡大
- 宅配時の「おすすめ」をネットで実現して売上げアップ
- 数よりもコミュニケーションの密度にこだわり、ヒットを狙う
- ソーシャルメディアの波に乗る感覚を磨く