ユニバーサルアナリティクスがベータ版から正式リリースとなりました
2014年04月3日

長い間ベータ版として提供されていたGoogleアナリティクスの次世代版であるユニバーサルアナリティクスが、正式にリリースされるとGoogleアナリティクスの公式ブログよりアナウンスがありました。

Universal Analytics: Out of beta, into primetime - Analytics Blog

  1. リマーケティングやオーディエンスレポートが対応
  2. クロスデバイスレポートが利用可能に
  3. GoogleアナリティクスプレミアムのSLA対象に
  4. Googleタグマネージャーがユニバーサルアナリティクスにフル対応
  5. タイムゾーンベースの処理が改善
  6. Measurement Protocolのアップデート
  7. フィーチャーフォン用トラッキングコードが非推奨に
  8. ユニバーサルアナリティクスへのアップグレードスケジュール

リマーケティングやオーディエンスレポートが対応

今回のベータ版から正式リリースに変更されるうえで、今までベータ版のユニバーサルアナリティクスでは使用することができなかった、リマーケティング機能とオーディエンスレポートが使用できるようになったのは大きなポイントではないでしょうか。
特に、Googleアナリティクスでの集計したデータ内容を利用してリマーケティングリストを作成することができるリマーケティングwith Googleアナリティクスを活用しているがために、中々Googleアナリティクスからユニバーサルアナリティクスへアップグレードすることができなかったサイトには朗報なのではないかと思われます。

クロスデバイスレポートが利用可能に

その他、カスタム変数がカスタムディメンションとカスタム指標へ変更されたり、セッションとキャンペーンのタイムアウトするタイミングを変更したり、特定のドメインからの流入を参照元から除外することができたりと、細かな追加設定は他にも存在しますが、これから追加の設定を行いたい注目される機能としては、PCとスマホ、タブレットの異なるデバイスをUIDによって串刺しにして計測することができるクロスデバイスレポートではないでしょうか。

クロスデバイスレポートは、上記のようにプロパティ設定のトラッキング情報内に追加され、
クロスデバイス用のビューを新規で作成する必要があります

このクロスデバイスレポートは、ユニバーサルアナリティクスにアップグレードすれば、どのプロパティでも利用できるわけではなく、ユーザーごとにユニークなIDによってログインする機能がサイト内に存在する必要があります。
ファッションECサイト等であれば、商品を購入する際に会員登録が必要なことが多いかと思われますが、会員としてログインしているユーザーのみを、クロスデバイスレポートにて集計することができるイメージとして捉えていただくとわかりやすいかもしれません。ですので、ログインを必要としないサイトに関しては、残念ながらクロスデバイスレポートを利用することができません。
ただし、ユーザーごとにユニークなIDをUIDとして取得することができてしまえば、今まで計測することができなかった、デバイス間での重複や、デバイスをまたいだコンバージョンプロセスなどを計測することができるようになり、実はスマートフォンでの流入が最終的なPCでのコンバージョンに貢献しているなどといった計測を行なうことが可能となります。
クロスデバイスレポートの設定方法などに関しましては、別途違うコラムなどにてお伝えさせていただければと思います。

GoogleアナリティクスプレミアムのSLA対象に

ユニバーサルアナリティクスはこれまでプレミアムとしてのサービスレベル保証(SLA)対象に含まれていませんでしたが、今回の発表で対応されるようになります。(現在は米国のみ適用のようです)

Googleタグマネージャーがユニバーサルアナリティクスにフル対応

今回のリリースのタイミングにて、Googleタグマネージャーが、ユニバーサルアナリティクスでもフルに使えるようになります。以前までは、ユニバーサルアナリティクスで使用を考えている機能についても、トラッキングコードの変更等を行わなければいけませんでしたが、Googleタグマネージャーの機能にてサポートされるようです。

タイムゾーンベースの処理が改善

これまでのユニバーサルアナリティクスでは、すべてのプロパティは太平洋時間で処理されていたため、タイムゾーンが異なる地域ではデータに反映されるまでにタイムラグが発生していました。今回のアップデートにより、タイムゾーンごとの処理になるので、これまでより新鮮で正確なデータを確認できるようになります。

Measurement Protocolのアップデート

IPアドレスとユーザーエージェントを設定するためのフィールドをMeasurement Protocolへ追加したため、企業内のネットワークや内部サーバーからユニバーサルアナリティクスへ送信されるIPアドレスやユーザーエージェントを上書きし、データに反映させることができるようになります。

フィーチャーフォン用トラッキングコードが非推奨に

従来のサーバーサイドのフィーチャーフォン用のトラッキングコードは非推奨となります。それにともない、Measurement Protocolを使用し計測できるようにアップデートする必要があります。

ユニバーサルアナリティクスへのアップグレードスケジュール

気になるユニバーサルアナリティクスへのアップグレードですが、セッションにおける定義が若干異なることにより、従来のGoogleアナリティクスで計測していた数値と僅かながら誤差が生じるケースも見られます。一度、ユニバーサルアナリティクスへアップグレードしてしまうと、従来のGoogleアナリティクスに戻すことは不可能なので、現在のGoogleアナリティクスに設定されている内容を正確に把握、対応方法を検討のうえ、ユニバーサルアナリティクスへアップグレードしていただくことをおすすめしておします。また、アップグレードする際には、Google Developersサイトに詳細がまとめられています。

Universal Analytics アップグレード センター – Google アナリティクス — Google Developers

上記のアップグレードサポートページには、サポート終了日こそ明記されておりませんが、従来のGoogleアナリティクス(ga.jsやurchin.js)は、サポートが終了すると記載してあります。ユニバーサルアナリティクスへのアップグレードは、慎重に行なうことをおすすめしているものの、従来のGoogleアナリティクスがサポート終了となり、レポート計測されなくなってしまうことは避けなければいけません。そのため、従来のGoogleアナリティクスを使用しているサイトにつきましては、早めにユニバーサルアナリティクスへアップグレードするスケジュールを検討した方がよいかと思われます。