2025年10月28日、DemandSphere主催の「FOUND Conference Tokyo 2025」で、LT(ライトニングトーク)でお話をする機会をいただきました。LTは5分という短い時間の中でわかりやすく解説するプレゼンです。
※イベントレポートはこちら

SEOやコンテンツマーケティングのお仕事をする中で、「いつか機会があれば伝えたい」と思っていたSEO勉強会に関するテーマでお話をしました。
私のキャリアについて少しご紹介しますと、事業会社で働いていたころは、中小企業の一人Web担当者として外部のWeb制作会社や代理店にご協力いただいたり、内製開発チームやSEOチームをもつ上場企業で施策推進をしたりしました。一方で、副業や業務委託・フリーランスとして仕事を請け負う機会もありました。
現在は、支援会社の立場からSEOのコンサルタントとして関わるようになっています。
そんな、さまざまな職能や立場の方々と共に、さまざまな関係性でお仕事をしてきた経験から実感したことについてお伝えできたらと思い、登壇させていただきました。
関係者の考え方のズレが施策推進を鈍らせる
「コミュニケーションばかりで、SEO施策がなかなか前に進まない…」
そんな気持ちになったことはありませんか?
SEOは関わる人が多い分、関係者間の「考えのズレ」が施策推進に影響することがあります。
同じマーケター同士であっても、知識量や経験値が違えば、考えは違ってくるでしょう。
エンジニアやデザイナー、ライター、ディレクターなど、職能が違えばなおのことです。
また、社内のプレイヤーか、責任者やマネージャーなど統括する立場か、外部の支援会社・業務委託かなど、関わり方が違えばそれぞれスタンスも異なります。

関係者間の考え方・スタンスのズレが大きいままSEO施策を進めようとすると、かなりのハードモードになってしまうなぁ…と、痛感してきました。
- SEOでは実現がむずかしい短期目標が設定されてしまったり…
- UXや開発チームと意見が対立し、説得に時間を要したり…
- 「キーワードを盛り込むこと=SEO」と誤解されていたり…
- 思いもよらない手戻りで、夜な夜な修正に追われたり…
振り返ってみると、施策がスムーズに進まない原因は、そもそも一緒に仕事する人達との相互理解が不足していたからだと思いました。
必要なのは共通認識
職能、経験、スキル、立場を超えてSEOをうまく推進するには、まずは「根っこの部分」から相互理解を深めることが大事ではないでしょうか。
意外とおざなりにされがちなのが、基本中の基本である「SEOとは?」です。
「それくらい、みんな知ってるでしょ?」と思うかもしれませんが、人それぞれ学んできた知識も、経験もバックグラウンドも違うので、一人ひとりの解釈はきっと同じではないはずです。
SEOの戦略や最新トレンドの話をする前に、まずは「SEOとは何か?」という本質的な部分について語り合うべきなのだと思いました。
やってよかった!SEO勉強会
私がおすすめしたいのが、「みんなでSEOを学ぶ」という取り組みです。
アユダンテでは各企業様に特化したSEOの勉強会・クローズドセミナーを提供していますが、私がいつも最初に説明するのは「SEOとは?」という基本中の基本のことからです。

勉強会の目的は、みんなにSEOに詳しくなってもらうことではありません。
みんなの目線を揃えることです。
古い情報をアップデートしたり、点と点で断片的になっていた知識を繋げたり。
偏っていた知識をならしたり、誤解や思い込みに気づいたり。
そのような体験を通じて、一人ひとりがバラバラに思い描いていた「SEO」が、少しずつ同じ方向を向いていきます。
実際にSEO勉強会に参加された方からは、このような感想をよくいただきます。
- SEOは小手先のテクニックじゃないと理解した
- 知らないことが意外とあった
- 初心者だけど、SEOを体系的に理解できた
- ひと昔前のSEOの知識のままだったと気づいた
- 多職能との調整がスムーズになりそう
- 業務に生かせそうなヒントをもらえた

たった1時間程度の勉強会でも、行動や発言が目に見えて変わる人が出てきます。
例えば、今までは「これってSEO的に(?)どうですか?」という非常にふんわりした会話だったのが、「ユーザーにとってここにリンクが必要だと思うのですが、どう思いますか?」とか、「この部分ってレンダリングに問題はなさそうですか?」といった、具体的で建設的なコミュニケーションに変わったりもしました。
また、これまであまり発言が多くなかったメンバーから、SEO施策について理解を示す言動や、深掘りするような質問が出てくるようになったりもしました。
自走しやすいチームに変化する手応えを感じるたびに、私自身も「本当にやってよかったなぁ~!」と、毎回噛みしめる思いをしています。
勉強会を成功させる2つのコツ
- まずは基本中の基本から
- みんなで一緒に
参加した人同士で共通認識が生まれると、心理的ハードルが下がり、勉強会で学んだことを軸にして発展的なコミュニケーションが生まれやすくなります。
また、一から説明しなくても伝わる状態になるので意志決定も早くなり、結果的にSEOが捗る状態になっていきます。
1. まずは基本中の基本から
サイトに関わるみんなが知っておいたほうがいいことや、数年先にも役立つような本質的な考え方から学ぶのがおすすめです。
施策や具体的なHowといった枝葉の部分だけを覚えても、そのときの施策はうまくいくかもしれませんが、応用が効きにくいものです。
本質的な根っこの部分の理屈を理解できていれば、課題や施策が変わったときも的外れな議論にはなりにくいですし、柔軟に発想を広げることができます。
2. みんなで一緒に
全員がものすごくSEOに詳しくなる必要はありません。
大事なのは、共通認識を持つことです。
既に、自分自身が独学でSEOについて学びを深めていたり、周りのメンバーが自発的にSEOの本を読んでくれたりしている場合もあるでしょう。それ自体はとっても素晴らしいことだと思います。
しかし、そういった個人の自己研鑽だけに頼ってしまうと、知識や解釈に偏りが出たり、その人が興味を持った部分だけに無意識にフォーカスしてしまったりする面もあります。
勉強会への参加を通じて、サイトの関係者同士が「SEOの基本をみんなが同じように理解している」と自覚し合うことで、無用な意見の衝突が減っていきます。
「みんなで」始めようSEO勉強会!
SEOの施策に直接かかわるデザイナー、エンジニア、コンテンツ担当者だけでなく、SEO勉強会を実施する際は事業に関わる人みんなを巻き込むのがおすすめです。
なぜなら、「事業の成長そのものが、SEOの成長に繋がる」ということを、全員の共通認識にしてもらいたいからです。

「SEOとは何か?」を、抽象的に噛み砕いていくと、「多くのユーザーに知られ、選ばれ、利用され、満足してもらえるサービスやプロダクトにするための活動」と考えることができます。
そのためには、広報、SNS担当者、YouTube担当者、事業責任者などの協力も欠かせません。
そして、マーケターだけではなく、営業やカスタマーサクセスが持つユーザー理解の視点もサイト改善に大きく役立つでしょう。
事業に関わる人みんなの理解と協力が、SEOの大きな推進力になります。
みなさんの職場でも、ぜひ「SEOの基礎を共有する場」を設けてみてください!
SEO勉強会の始め方がわからないときは
アユダンテでは、SEO初心者向けの勉強会の実施や、チームや会社の課題・目的に応じたSEOセミナーの企画やオーダーメイドをしています。
「SEO勉強会をやってみたいけど、どのように進めたらいいかわからない」という場合は、お気軽にSEOコンサルティングチームへご相談ください。
また、もし社内勉強会の取り組みを実践されている方がいらっしゃいましたら、ぜひXでのコミュニケーションや、交流会でお会いする機会などがあれば、ライトに情報交換しましょう!
マーケティングの現場で感じる課題について、共感し合えることや、新しい気づきを得ることができたらいいなと思っています。







