「AI時代のSEO戦略 ~変わる検索体験と企業がやるべきこと~」というテーマで、2025年8月22日にアユダンテのSEOコンサルタントの江沢と高橋が顧客限定ウェビナーを開催しました。
先日、生成AI編のレポートを第一弾として公開しましたが、今回は第二弾 “今、AI Overviewsに対して何をすべきか”という点に絞ってご紹介いたします。
とりあえずこの3つだけ知っておけばOK
AI Overviews表示以降のCTR・流入・CVの変化を把握
日本でのAI Overviewsの表示開始は2024年8月から。全ユーザーへ展開されて表示率が増加したのは2025年3月からです。
まずやるべきことは、AI Overviewsの表示によって、サイトにどのくらいの変化が起こったかを正確に把握することです。
最近、AI Overviewsによって流入が取れなくなり「SEOは死んだ」と騒いでいる人もいれば、「AI Overviewsがリリースされても流入にはまったく変化がない」と言う人などさまざまですが、これは「サイトごとに、どのようなキーワード戦略をしていたかによって影響度合いが大きく異なる」ということなのです。
また、AI Overviewsの表示が一気に増えた2025年3月にはGoogleのコアアルゴリズムアップデートもありましたので、流入が減ってしまった事象をAI Overviewsによるものと思い込んでしまっているケースもありそうです。
まずはキーワード(クエリ)ごとに、Search ConsoleやGA4の状況を細かくチェックしましょう。

AI Overviewsはサイトやページ単位の事象ではなく、クエリごとの表示ですので、少していねいにSearch Consoleを見なければいけません。
検索上位を維持しているにも関わらずCTRが大きく低下したクエリは、AI Overviewsの表示が出たことが影響している可能性があります。
もしCTRや流入が減っているようならば、あわせてコンバージョンも減ってしまっているのか、別途確認しましょう。ビジネスにとってどの程度の影響なのか、正しく認識しておくことが重要です。
Know Simpleクエリ向けコンテンツは優先度を下げる
答えだけがわかれば用事が済んでしまうシンプルな検索は、AI Overviewsによるゼロクリックの影響を受けやすいです。例えば、「例和 何年」「牛丼 カロリー」「日本 失業率」のような検索キーワードです。
こういったKnow Simpleクエリはよく検索される人気キーワードではありますが、AI Overviewsの表示で満足しやすいため、流入には繋がりにくいでしょう。
今後のキーワード戦略が、より一層大事になってきます。
重要なキーワードはAI Overviews対策しておく
重要なキーワードは、流入を最大化するためにAI Overviewsの対策を行っておけるとよいでしょう。
自然検索ほどのCTRを期待することはできませんが、コンバージョンに近い検索キーワードであれば、少しでもクリックの可能性を高めておきたいところです。
次の章で詳しく説明します。
AI Overviewsで今やるべきこと
ビジネスにとって重要なキーワードを対策するにはどうしたらいいのか、現時点でやるべきことをステップにまとめました。
「分析して、適切な対策をして、モニタリングする」という3つのSTEPの流れは、従来のSEO施策とまったく同じです。

各種調査によると、自然検索の順位と、AI Overviews内の参照順位には、ある程度の相関性があるようです。
まずは、対策したいキーワードを順位計測ツールに登録して(アユダンテではDemandMetricsを使用)、以下の観点でチェックしてみます。
- AI Overviews枠の表示があるか
- AI Overviewsで参照されているか
- 自然検索で上位か
3でもし自分たちのページの自然検索の順位が低い場合には、まずは抜本的なコンテンツ改善や、場合によっては内部施策から始める必要があります。SEOの強化です。
もし、2でAIOで参照されていないけど、3の自然検索の順位が上位の場合は、AI Overviewsの表示内容の傾向をふまえてリライトすることをおすすめします。

DemandMetricsでは、自然検索とAI Overviewsの両方の順位状況を把握できます。
AI Overviewsの成功事例
ウェビナー当日は、実際にリライトをした直後にAI Overviewsに表示されるようになった事例や、ていねいにコンテンツを作り込むことによって自然検索とAI Overviewsの両方で上位を獲得できた事例などもご紹介しました。
そして最後のディスカッションでは、AIOに参照されやすいライティングの要件についてもご説明しました。具体的にどのような対策をしたかの詳細は、ウェビナー参加者のみに解説しております。

「AI時代のSEO戦略 ~変わる検索体験と企業がやるべきこと~」のウェビナーレポート第二弾は、AI Overviewsの内容についてご紹介しました。
AI Overviewsによる影響があまりなかったサイトであれば、引き続き流入やコンバージョンに繋がりやすいキーワードの対策に注力していくことが大切です。
影響が大きかったサイトの場合は、まずは影響度合いに応じてKPIや予算計画の見込みを修正する必要があるでしょう。
そして、今後どのようにサイトを成長させていくのか、キーワード戦略の見直しをしていけるとよいと思います。