
GTMのプレビューでタグの発火状況を確認した後、「結果をあとでじっくり見直したい」「他の人にも共有したい」と思ったことはありませんか?
多くの場合、スクリーンショットを撮影して対応するかと思いますが、本記事でご紹介する「セッションエクスポート」機能を使えば、GTMプレビューで確認できるタグ発火時の変数やdataLayerの状態など、詳細な情報をそのまま保存・共有できます。
目次
- GTMのセッションエクスポート機能とは
- GTMのセッションエクスポート機能が活用できる状況
- GTMプレビュー結果を保存する方法
- 保存されたGTMプレビュー結果を確認する方法
- セッションエクスポート機能の注意点
GTMのセッションエクスポート機能とは
GTMのプレビューモードで表示される内容をそのままJSONファイルとして保存して後から確認できる機能です。ファイルを共有することで、GTMの権限がない人にもプレビュー結果を共有できます。
Share debug sessions from Tag Assistant – Tag Manager Help
GTMのセッションエクスポート機能が活用できる状況
以下のような状況でGTMのセッションエクスポート機能は特に役立ちます。
- GTMプレビュー結果を後でじっくり確認したいとき
- GTMプレビュー結果を別の人にレビューしてもらいたいとき
- GTMプレビュー結果を詳細なエビデンスとして残したいとき
たとえば、購入テストによるタグの発火確認を行えるのが特定の担当者に限られていて、かつ、その人がGTMに詳しくない場合、テスト時のGTMプレビュー結果をエクスポートしておけば、後日GTMに詳しい他の人が結果を確認できます。
GTMプレビュー結果を保存する方法
ステップ1. GTMプレビューを使いながら検証したいページの直前まで操作する
最初に、GTMプレビューモードを有効にした状態で検証したいページの直前までサイトを操作します。たとえば購入完了ページのタグを検証したい場合は、購入確認ページまで進みます。
GTMプレビューモードの使い方は別のコラム「新しいGTMプレビューモードの使い方
( https://ayudante.jp/column/2020-10-28/11-00/ )」にて詳しく紹介しています。
ステップ2. 不要なログをクリアする
検証したいページの直前まで操作したら、プレビューモード画面の左上の「概要 (Summary)」の右隣にあるゴミ箱アイコンをクリックし、これまでのログを削除します。これにより、エクスポートされるファイルが不要な情報が含まれた巨大なファイルになることを防ぎます。また、ファイルサイズが大きすぎるとエクスポートに失敗する場合があります。

ステップ3. 検証したい動作を行った後、結果をエクスポートする
検証したい動作を行なった後、画面右上メニューの「セッションをエクスポート (Export session)」からエクスポートを実行します。するとGTMプレビューモードを実行した結果が記録されたJSON形式のファイルがダウンロードされます。
ファイルサイズによってはダウンロード開始までに数秒程度の時間が掛かる場合があります。


保存されたGTMプレビュー結果を確認する方法
Tag Assistant 画面 ( https://tagassistant.google.com ) を開いて、右上メニューの「セッションをインポート (Import session)」からエクスポートしたJSONファイルを読み込みます。
今回はサンプルファイルをご用意していますので、以下からダウンロード・解凍してJSONファイルを取り出してお試しください。

インポート後は、通常のGTMプレビューと同様に、各イベントごとのタグ発火や変数の値などを自由に確認できます。

セッションエクスポート機能の注意点
万能に思えるセッションエクスポート機能ですが、以下のような注意点もあります。
- 機密情報の流出リスク : プレビューモードの全内容が保存されるため、意図しない情報が含まれる可能性があります。
- 通信内容は含まれない : タグの発火内容は確認できますが、実際のタグの通信内容は確認できません。
- ファイルサイズが大きくなりがち : 200MBを超えることも多く、メール添付や一部ツール(Backlog、Jiraなど)での共有に支障をきたす場合があります。
スクリーンショットが多くなりがちな検証作業や、スクリーンムービーでストレージを圧迫している場合の代替手段としてセッションエクスポート機能はとても有用です。