GA4のカスタムディメンションに後からデータを追加する方法
2024年12月26日
ライター:太田 正幸

GA4はウェブサイトやアプリから送られた計測データを基にレポートを表示しますが、後からデータを追加でアップロードする機能も持っています。この機能により、ウェブサイトやアプリにセットするデータをシンプルにすることや、計測データを社内データと結合し、異なる軸で分析することが可能になります。

本稿では、カスタムディメンションにデータを追加する例を使い、カスタムイベントデータをGA4にインポートする方法を紹介します。

  1. カスタムイベントデータのインポート
  2. 準備
  3. インポートの手順
  4. インポート結果の確認
  5. まとめ

カスタムイベントデータのインポート

GA4に外部ソースのデータをアップロードする機能を「データインポート」と呼びます。アップロードしたデータは計測データと結合し、レポート上で確認できるようになります。

2024年12月現在、インポート可能なデータは次の6種類です。

  • 費用データ
  • アイテムデータ
  • ユーザー ID 別のユーザーデータ
  • クライアント ID 別のユーザーデータ
  • オフライン イベントデータ
  • カスタム イベントデータ

弊社の以前の記事では、この中の「オフライン イベントデータ」をインポートする方法を紹介していますが、今回は「カスタム イベントデータ」をインポートする方法を紹介します。オフラインイベントのインポートは記録されていないイベントを新たに追加するのに対し、カスタムイベントデータのインポートは既に記録されているイベントのデータを追加・修正する機能です。

カスタム イベントデータのインポートでは、標準フィールド(ページ階層、ページタイトルなど)とイベント スコープのカスタム ディメンションのみが対象になります。データの結合はレポートが表示されるタイミング(レポート / クエリタイム)で実行されるため、インポートデータを削除すればインポート前の状態のレポートに戻すことができます。

準備

今回は、次のような前提を基に説明します。

  • カスタムディメンション「店舗」に店舗名がセットされた状態でGA4のデータが計測されている。
  • このレポートに自社で持っている追加の店舗情報をインポートする。
  • 追加の店舗情報はそれぞれ、カスタムディメンション「県名」「種類」にセットする。
今回のデータインポートの概要

本稿ではカスタムディメンションのデータをインポートする例を取り上げますが、標準フィールドのデータインポートも手順は全く同じです。

カスタムディメンション「店舗」「県名」「種類」は事前に設定しておきます。

カスタムディメンションの設定

インポートする店舗情報は以下の形式のcsvファイルで準備します。

店舗情報のcsvファイル

このcsvファイルは後程、「店舗」がshop列の値に等しい行のデータを結合する、「県名」にはprefecture列の値、「種類」にはcategory列の値をセットするというマッピングを設定することでGA4のデータと結合することができるようになります。

インポートの手順

データインポートは、管理画面の「データ インポート」で実施します。まず、「データソースを作成」をクリックすると下図の画面が表示されますので、データソースに名前を付け、データ型(今回は「カスタム イベントデータ」)を選択し、「csvをアップロード」から店舗情報のcsvファイルをアップロードして、「次へ」をクリックします。

データソースの詳細設定

次のページでデータのマッピングを設定します。この例では「フィールドを追加」からキーフィールドにカスタムディメンションの「店舗」、フィールドをインポートと書かれている方にはカスタムディメンションの「県名」「種類」を選択します。その上で、各インポートフィールドに先程アップロードしたcsvファイルの対応する先頭行の値を選択し、「インポート」をクリックすればデータインポートの作業は完了です。

マッピングの設定

暫くして、データ インポートの画面のステータスにチェックが入れば、インポートしたデータをレポートで確認することが可能な状態になります。

インポートの完了を確認

インポート結果の確認

インポートしたデータは、標準レポート、探索レポートの両方で確認することができます。今回の例では、インポートしたデータはカスタムディメンション「県名」「種類」にセットされています。

このレポートは、自社データをインポートしたことにより、県名別、種類別のデータとしても整理することが可能になっています。

まとめ

データインポートにより、GA4のカスタムディメンションに後からデータを追加する方法を紹介しました。これは計測データにはないデータを結合し、別軸で分析する事が可能になる便利な機能です。また、この機能を使うと一部のデータは管理画面からインポートすればよくなるため、あらゆるデータをウェブサイトやアプリ上にセットし、計測データとして送信する必要性は軽減されます。

さらに、基本的にGA4のデータは後から修正することは困難ですが、この方法を使えば間違ったデータを記録してしまった場合でもある程度のリカバリーが可能になります。そのようなケースでも是非お試しいただければと思います。

アユダンテの広告チームでは応募の前にカジュアル面談をおすすめしています

この記事を書いた人
$uname
太田 正幸
シニアカスタマーサクセスコンサルタント
AIの博士号を持つ、元研究者。マーケティング統括、データサイエンティスト等の経験も豊富。特にデジタルマーケティングに関しては、事業側、コンサルの両方の経験を持ち、GA, GTM, BigQueryだけでなく、MA, BI, DX, DMP, SEO, 広告運用まで全てを網羅。それでも本人はデジタルではないマーケティングの方が得意だと思っている。最新技術と戦略と甘い物が好き。
最近書いた記事