今回のコラムでは筆者がGA4のサポートをしている中でお問い合わせの多い、「新規(初回セッション)」「リピーター(リピートセッション)」のセグメント作成について解説します。
GA4とUAの新規、既存の違い
UAでよく利用されていたユーザーの種類に「New Visitor」「Returning Visitor」という区分があり、1回目の訪問=「New Visitor」。2回目以降の訪問=「Returning Visitor」という定義でした。
GA4はデータ探索のユーザー系のディメンションにUAと似た「新規/既存」があります。しかし、実際はUAの定義とは異なるため、意図したデータにならないケースが多いです。UAの定義と同じ「New Visitor」「Returning Visitor」にするにはセグメントを使い「新規(初回セッション)」「リピーター(リピートセッション)」を作成する必要があります。
GA4のディメンション:「新規/既存」
新規:
過去7日間に初めてサイトやアプリを訪問したユーザーが対象
既存:
過去7日より前にサイトやアプリを訪問したユーザーが対象
UAのディメンション:「ユーザータイプ」
新規(New Visitor):
サイトに初めて訪問したセッションが対象
既存(Returning Visitor):
2回以上訪問しているセッションが対象
GA4の「新規」は「7日間以内に初めて訪問したユーザー」が対象となります。「新規/既存」ディメンションを利用すると「7日間以内に初回訪問して、リピートしたユーザー」のデータが「新規」に含まれるため、初回訪問したときのセッション以外のデータも含まれます。
GA4で新規(初回セッション)とリピーター(リピートセッション)のセグメント作成方法
「初回訪問とリピーターで閲覧しているページに違いがあるか」「初回訪問時に商品を購入されているか」など、UAのときと同じような定義でデータを見たいときはデータ探索のセグメントを使います。
セグメントで選択する条件は初めてサイトに訪れたときに発火する「frst_visit」イベントやディメンション「セッション番号」で条件を作成します。
「first_visit」イベントを使い「初めての訪問」「2回目以降の訪問」を作成する方法
GA4ではユーザーがサイトに初めて訪問すると「first_visit」というイベントを最初に発生させます。
(アプリは「first_open」)このイベントを利用してセグメントを作成する方法です。
STEP1
セグメントのタイプは「セッション セグメント」を選択します。
STEP2
「初めての訪問」を定義するときは【次の条件に当てはまるセッションを含める】にイベントから「first_visit」を選択します。
※アプリの場合は「first_open」です。
STEP3
「2回目以降の訪問」を定義するときは除外するグループを追加し、「セグメントから一時的に除外」の状態から【次の条件に当てはまるセッションを除外する】を選択して、STEP2と同様に「first_visit」を選択します。
作成したセグメントを「ページタイトルとスクリーン名」で比較してみると、初回訪問と2回目以降の訪問では閲覧しているページが違うことがわかります
「セッション番号」を使い「初めての訪問」「2回目以降の訪問」を作成する方法
GA4では訪問ごとにga_session_numberというパラメータにセッション番号が自動で追加されます。セグメントを作るときにこの「セッション番号」をを利用する方法です。なお、セッション番号を利用すると「〇回目に訪問した」という定義を作ることも可能です。
STEP1
セグメントのタイプは「セッション セグメント」を選択します。
STEP2
「初めての訪問」を定義するときは、セッション>セッション番号を選択して「完全に一致」を選びます。値には「1」を入力します。
STEP3
「2回目以降の訪問」を定義するときはSTEP1と同じく「セッション番号」から「≧」を選び、値に2を入力します。
まとめ
GA4ではUAと同じディメンション名や指標名でも定義が異なるケースが多くあります。初回訪問、リピーター(2回目以降)の訪問のデータを見たいときに今回のコラムを是非参考にしてください。