ウェブページのURLに個人情報が含まれているケースが稀に存在します。設計上、仕方の無い措置であるとはいえ、このようなサイトをGA4で計測すると、URLと共に個人情報が自動的にGA4のサーバーに送られてしまい、利用規約に違反してしまうことになりかねません。
実際にこの問題が発生した場合に備えて、GA4にはサーバーに送られたデータを後から削除するための仕組みが用意されています。この記事では、GA4から特定の計測データを削除するための具体的な方法を紹介します。
データ削除リクエスト
GA4から計測データを削除するには、管理画面のプロパティ設定の中にある「データ削除リクエスト」で削除リクエストの詳細を設定します。
新しいリクエストは、この画面の「データ削除リクエストのスケジュールを設定」から登録します。データ削除リクエストには以下の5つの削除タイプが存在するため、この中から適切なタイプを選択し、削除対象のイベントやパラメータを抽出する条件を指定します。
- すべてのイベントからすべてのパラメータを削除
- 選択したイベントからすべての登録済みパラメータを削除
- すべてのイベントから選択したパラメータを削除
- 選択したイベントから選択した登録済みパラメータを削除
- 選択したユーザープロパティを削除
条件の指定が完了したら「リクエストのスケジュールを設定」をクリックし、確認画面で「データの削除を確認」をクリックすれば設定は完了です。
データ削除の猶予期間
リクエストのスケジュールを設定しても、実際にデータが削除されるまでは7日間の猶予期間があります。それまでの間、GA4にはデータ削除完了後の状態と同じレポートが表示されるため、修正内容を直接確認することが可能ですし、問題があればリクエストをキャンセルすることも可能です。この猶予期間には一覧画面に以下のように表示されますので、必要であれば対象のリクエストを選択してキャンセルして下さい。キャンセルを実行しなければ、7日後にデータは完全に削除されます。
個人情報が含まれるURLの削除
URLに個人情報が含まれているサイトの計測データを削除する具体例を見ていきます。まず、対象のサイトでは特定のページのURLパラメータに「email=」の形でメールアドレスが含まれてしまっており、このデータをGA4から削除したいとします。
この場合、残念ながら、データ削除リクエストではURLパラメータの部分だけを削除することはできないため、URL全体(GA4ではpage_location)を削除する必要があります。また、URLは直前のページのURL(GA4ではpage_referrer)にも含まれていますので、この2つのイベントパラメータを削除する必要があります。GA4ではほぼ全てのイベントにpage_location, page_referrerがセットされていますので、削除タイプは「すべてのイベントから選択したパラメータを削除」を選択します。あとは次の設定をして「リクエストのスケジュールを設定」をクリックします。
- 開始日:削除対象期間の最初の日
- 終了日:削除対象期間の最後の日
- 削除するパラメータ:page_location, page_referrer
- 次のテキストを含むパラメータ値のみを削除:email=
ここまでの作業で削除リクエストは完了となります。少し待ってから先程のレポートを確認すると、削除予定の箇所が (data deleted) となっていることが確認できます。この状態でリクエストをキャンセルしなければ、7日後には完全にデータが削除されます。これで無事に対象のデータを削除することができました。
まとめ
この記事ではGA4での計測データの削除方法を紹介しました。近年では世界中で個人情報の取り扱いに関するルールが厳格化されています。GA4もその点を重視して作られており、UAと比べてデータ削除機能が強化されています。もし意図せずGA4に個人情報を送ってしまった場合には、上記の手順で対象のデータを削除をしていただければと思います。