[GA4]イベント、パラメータの命名規則
2023年06月29日
ライター:中村 晃

GA4には、自動収集イベント、拡張イベント計測、推奨イベントのように事前に予約されたイベントがあります。また、このイベントには関連する予約されたパラメータが準備されています。これ以外に、利用者が名前と定義を定義したカスタムイベントやカスタムパラメータの利用が可能ですが、Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)が準備しているイベントを利用すると、標準レポートに表示されるためお勧めです。

本コラムでは、カスタムイベント、パラメータを定義、利用する際にどのような点に注意して進めるとべきかを紹介します。

  1. 設計書・命名規則の必要性
  2. 命名規則の例
  3. GA4の各変数の制限
  4. さいごに

設計書・命名規則の必要性

設計書を作る際に、命名規則を決めることを推奨します。新しい変数(イベントや、パラメータなど)を定義する際に、どのようなルールで名前を付けるかを事前に決めておくと、設計書を見た人が理解しやすく、新しくイベント名を定義しなくてはならない時に、参考にできます。設計書や命名規則がない事のよる、課題を上げました。これに対して、適切な対応を取ることで、多くの効果が期待できます。

命名規則の例

カスタムイベントやカスタムパラメータを定義する際に提案している命名規則となります。名前を付ける際にルールがないと、後でレポート集計をする際に困ります。フィルター条件を適用する際に、部分一致や正規表現等を利用しやすいように適切な文字列を命名する事を推奨します。名前を付ける際に、GA4の推奨イベント名を参考にするとイメージが付きやすいと思います。

命名規則 – カスタムイベント・パラメータ必須
snake caseaaaa_bbb
[objects]に対して[verb]が2つ以上ある場合は[objects]_[verb]video_start/video_complete
[objects]に対して[verb]が1つの場合は[verb]_[objects]select_content
[objects]を省略しても意味がわかるものは[verb]reserve
英数字とアンダースコアのみ※NG: aaaa-bbbb
先頭は英字で始める※NG: 50_click
分かりやすくて、省略しない※NG: thks
スペース(全角、半角)は利用しない※NG: click module
禁止事項(予約語など)を利用しない※NG: 先頭[_(underscore)]
パラメータの禁止事項も要確認※NG: [google_]など

引用:[GA4] イベントの命名規則[GA4] 推奨イベント

GA4の各変数の制限

イベント収集時に適用されるプロパティ毎の上限となります。標準版GA4から360版GA4にアップグレードすることで、一部の上限を引き上げることができます。

制限標準版360版違反時
イベント名の文字列長40文字40文字※1
イベント パラメーター名の文字列長40文字40文字※2
イベント パラメーター値の文字列長100文字100文字※2
ユーザー プロパティ名の文字列長24文字24文字※2
ユーザー プロパティ値の文字列長36文字36文字※2
User-ID 値の文字列長256文字256文字※2
ページの場所の長さ420文字420文字※2
イベントあたりのイベント パラメータの個数25個100個※3
イベントあたりのアイテムスコープのパラメーター数27個27個
ユーザー プロパティは1プロパティあたり25個100個
プロパティあたりのイベントスコープのカスタムディメンション50個125個
プロパティあたりのイベントスコープのカスタム指標50個125個
プロパティあたりのアイテムスコープのカスタムディメンション10個25個
コンバージョン30個50個※4
オーディエンス100個400個
1ユーザー1日当たりのイベント数(データストリームがアプリの時)※5500件2,000件※1
※1:計測されない
※2:イベントは計測される該当パラメータは欠損
※3:イベントは計測される超過パラメータが欠損
※4:イベントとして記録
※5:ウェブデータストリームの場合制限なし

さいごに

GA4が推奨するイベント・パラメーターを使うことで、多くのメリットがありますが、自社のWebサービスの目的や意味が合致しない場合は、カスタムイベント・カスタムパラメーターを定義し利用する事に問題ございません。

設計書や命名規則がない状態で長い期間、複数のGA4管理者が自由に命名、計測を行う運用が続くと、気が付いた時には、誰もわからない情報が計測されている状態になってしまいます。関係者が将来的に活用できるCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を構築することを目指しましょう。汎用的な命名を行い、設計書には、計測タイミングを具体的に記載することが重要です。「タイミング:ページ/スクリーンが表示された」という言葉一つ取ってもデバイス毎に開発エンジニアにとっては、解釈が異なる事があります。将来的には、マルチデバイス計測(アプリやテレビデバイス、スマートデバイス等)やオフラインデータの取り込みなどを考慮してイベント名や、計測タイミングを定義していくことがとても大事になってきます。

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この記事を書いた人
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中村 晃
シニアソリューションコンサルタント
SIer、ISP事業者のダイレクトマーケティング担当を経て、その後はデジタルマーケティング領域を渡りあるく。ソーシャルゲームや、動画配信サービスのPdMやデータアナリストのマネージメントを行いながら、Googleアナリティクスの導入、活用支援に取り組む。
Google マーケティングプラットフォームの導入、現状分析からKPI設計、マーケティング、施策の効果検証を強みとする。
ロードバイク、山登り、サウナ、コーヒーが好きなアウトドアマンです。
@jp_nakamura_jp
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