Google ウェブマスターYouTubeチャネルでJohn Mueller氏がウェブマスターからもらった質問に答えていく#AskGooglebotのQ&Aシリーズが配信されています。
この記事では2022年7月~2022年10月に配信されたSEO関連の6つのQ&Aを日本語に訳してお届けします(2022年2月~2022年6月のQ&Aも和訳しております)。
※一部省略や言い換えをしておりますが、主な意味が失われないようにまとめるようにしております。
- CMSの選択がランキングに影響するか
- 1ページに複数の言語の共存
- Googleから古いページを削除する
- Robotsメタタグの必要性
- 国内の異なる地域向けの個別ウェブサイトについて
- シャープ(#)を含むURL(フラグメント識別子)について
1.CMSの選択がランキングに影響するか
Q: CMSはランキングに影響しますか?
A: 僕が知っている限りでは、Googleの検索システムが特定のCMSを特別扱いしていることはありません。我々の観点からは、CMSはページを作成する手段の一つでしかありません。Googleのシステムはページがどのように作成されたかではなく、ページの最終形を評価しています。手動で作成されたページでもWordPress、 Wix、 Squarespaceなどで作成されたページと同じく良いページになりえます。
僕が知っている限りでは、主流の全てのCMSで検索パフォーマンスが良いページを作ることが可能です。SEOは魔法ではないし、ベストプラクティスの情報が公開されており、テスト用ツールもたくさん存在していますので、どのCMSプロバイダーもSEOを取り入れることができます。CMSによって若干の違いはありますが、すべてのCMSは通常のサイトを構築する場合、デフォルトで検索に最適化されているか、いくつかの設定の調整やプラグインの活用で最適化できる状態です。
2.1ページに複数の言語の共存
Q: 一つのページに二つの言語版を含めても問題ないですか?
A: 検索エンジン観点では、各ページのメイン言語を認識できることが理想です。メイン言語を特定できれば、その言語で検索しているユーザーにそのページを検索で表示しやすくなります。
一部のコンテンツであれば他の言語で記載していても大丈夫です。例えば、外国語を教えるウェブサイトの場合、各ページに明確なメイン言語を持つことをおすすめします。同じウェブサイトで他言語の別ページを作っていても問題ありません。検索エンジンに言語を伝えるための特別なメタタグなどはないですが、スクリーンリーダーのためには<html>のlang属性の活用が推奨されます。
多言語のウェブサイトの作成の際にやるべきことについてはグローバル・多言語サイトに関するGoogleのドキュメントでたくさんの情報を提供しています。
3.Googleから古いページを削除する
Q: Googleから古いページを削除する最も良い方法は何ですか?
A: 結論、ウェブサイトからページを削除するだけで、時間が経てばそのページは自動的にGoogleから消えます。その場合、追加の作業は特に不要です。
そのステップについてもっと詳しく説明します。
まずはサーバーが正しいHTTPレスポンスコードを返していることを確認すべきです。ほとんどのウェブサイトでは、これが自動的に行われます。
続きまして、ウェブサイトからのその削除させたいページへのリンクとサイトマップの記載を削除します。
最後に、Googleのシステムが最新の状態になるまで(削除される)には数週間かかる場合があることを意識します。もし、ページをいち早く検索結果から非表示にしたい場合は、Search Consoleの削除ツールを活用できます。
ほとんどの場合、このツールを使わなくて良いはずですが、知っておくと便利です。
4.Robotsメタタグの必要性
Q: robotsメタタグがないとランキングに悪影響がありますか?
A: canonicalやメタタグなど一部のSEO的な項目がよく話題になるので、設定が必須だと思われがちですが、robotsメタタグは必須なタグではありません。robotsメタタグを使えば、検索結果での表示方法の調整、もしくは検索結果からの非表示設定ができます。つまり検索結果での表示をデフォルトから変えたい場合にのみ必要となります。例えば、スニペットの文字数を制限したい場合は、robotsメタタグのmax-snippet:の値を設定できます。検索結果での表示についてのこだわりがなければ、robotsメタタグはページに設置しなくても全く問題ありません。
robotsメタタグやGoogleが対応するその他のタグでできることについて興味ある方は、robotsメタタグに関するGoogleのドキュメントを確認すると良いです。
5. 国内の異なる地域向けの個別ウェブサイトについて
Q: 国内で異なる地域向けのウェブサイトについて、ユーザーのIPアドレスを元にリダイレクトしても問題ないですか?
A: これはかなり複雑なテーマで、実装によっては面倒なことになりかねません。そのため、専門家のサポートを求めるか、Google 検索セントラル のヘルプ コミュニティでアドバイスを求めることをおすすめします。この動画はスタートポイントと考えてください。
大事なポイントは、Googleは基本的に1つの地域のみからウェブサイトをクロールしてインデックス登録するということです。地域ごとに異なるサイトのバージョンがあっても、検索ではその1つのバージョンのみがインデックスに登録されます。そのため、すべてのユーザーに表示されるデフォルト版のサイトを用意して、重要と思うコンテンツはそのサイトに存在するようにすることが大事です。
また、検索に表示したいページがある場合、他地域のユーザーにアクセス制御していないことを確認してください。
こちらでスタートポイントになると良いですが、先にも言ったように、この実装は複雑になりえるので、プロフェッショナルにサポートを求めると良いと思います。
6. シャープ(#)を含むURL(フラグメント識別子)について
Q: 「#」を含むURLは無視されますか?
A: 結論から言いますと、基本的に「#」の後ろのURL部分は検索エンジンに無視されます。この形式のURLはページ内の特定な部分にリンクしたい際に使用されます。「#」より前の文字列はページのアドレスであり、「#」の後ろの文字列はそのページ内の特定の位置を示します。クロールとインデックス登録の観点では、すべて同じページなので、URLの前の部分のみ参照されます。
ただし、JavaScriptサイトでのフラグメント識別子は特別の対応をしている場合があり、例外的な使い方があります。JavaScriptウェブサイトに特化したテーマになりますので、GoogleのJavaScript SEOに関するドキュメントでより詳しい情報を確認できます。
今後も#AskGooglebotシリーズが続きそうでしたら、また和訳していこうと思いますのでご興味ある方はチェックしてください!