Googleアナリティクス4プロパティ(GA4)のレポートを確認していて、「数値がかなり少なく表示されている」「日別データと合計データの数値が合わない」といった場合、データのしきい値が適用されている可能性があります。
本記事では、お客様からのお問い合わせも多いGA4の「データのしきい値」について、適用される条件や対処方法を解説します。
1.データのしきい値とは
データのしきい値とは、ユーザー属性などの情報からユーザーを推測することを避けるため、レポートから一部のデータを除外する仕組みです。GA4の標準レポートやデータ探索の他、データポータルのGoogleアナリティクスコネクタで接続した場合のレポートにも適用されるため、注意が必要です。
データのしきい値はGoogleアナリティクスのシステムによって定義されているため、調整することはできません。
2.データのしきい値が適用される条件
データのしきい値が適用される条件は以下のいずれかです。
・Googleシグナルが有効かつユーザー数が少ない
Googleシグナルの設定を有効にしていて、指定した期間のユーザー数が少ない場合、しきい値が適用され、レポートやデータ探索のデータが除外されることがあります。
・レポートにユーザーベースのディメンションまたは指標が含まれている
レポートにユーザーベースのディメンションまたは指標(ユーザー属性やユーザー数)が含まれている場合、しきい値が適用され、一部のデータが除外されることがあります。
3.しきい値が適用されているか確認する方法
標準レポートの場合
標準レポートでしきい値が適用されている場合、レポート名右側のアイコンが!マークに変化します。アイコンをクリックすると「しきい値を適用しました」と表示されます。
探索レポートの場合
探索レポートでしきい値が適用されている場合、画面右上のアイコンが!マークに変化します。アイコンをクリックすると「しきい値を適用しました」と表示されます。
4.対処方法
・集計期間を調整する
ユーザー数が少ないことでしきい値が適用されている場合は、指定する期間を広げることでユーザーの総数が増え、除外されていたデータを表示できる場合があります。
・Googleシグナルのデータを使用しない
Googleシグナルは、Googleアカウントを持つユーザー情報をもとに、クロスデバイスでユーザーを判別する機能です。これにより、ユーザーの重複を除去しより正確なユーザー数を計測することができます。
Googleシグナルを使用しない場合は、上記の重複除去が行われませんのでご注意ください。
Googleシグナルを使用しないデータの確認方法
・レポート用識別子を「デバイスベース」に切り替える
管理画面のレポート用識別子の設定で「デバイスベース」を選択すると、ウェブサイトの場合はクライアントID、アプリの場合はアプリインスタンスID が使用され、Googleシグナルは使用されません。
この設定はいつでも切り替えることができ、データの収集や処理に影響することはありません。
・BigQueryのデータを使用する
GoogleアナリティクスからBigQueryにエクスポートしたデータには、Googleシグナル由来のデータは含まれず、しきい値も適用されません。
※Googleシグナルではユーザーの重複除去が行われるため、GoogleアナリティクスとBigQueryとでユーザー数が異なる場合があります。