[GA4] Google アナリティクス 4 eコマースイベントの解説
2022年04月21日
ライター:高田 和資

今回のコラムは、アユダンテのYouTubeチャンネルで紹介している『eコマースとことん解説動画』から、eコマースのデータを計測するポイントを解説します。ECサイトの購入プロセスや商品情報をGA4の推奨イベント、パラメータ、itemパラメータで計測することで、収益化レポートやデータ探索が利用できるようになります。

GA4のeコマースデータを使うレポートや機能

eコマース関連の推奨イベントを実装・設定するとGA4の「収益化レポ―ト」や「データ探索」「オーディエンスの予測機能」でeコマースのディメンション、指標が使えるようになります。

図:収益化>eコマース購入数 レポート

図:データ探索のディメンション、指標

図:オーディエンス>予測指標

GA4のデータ構造とeコマースの構造

GA4のデータ構造はイベントとパラメータで構成されていますが、eコマースのデータ構造は推奨イベント、パラメータの他に商品情報を【itemパラメータ】で取得します。2022年4月時点ではitemパラメータで取得したデータをカスタムディメンションに登録できません。GA4のデフォルトで用意されているディメンションを利用する必要があります。

図:GA4のデータ構造

図:GA4 eコマースのデータ構造

GA4 eコマースの各イベント

GA4のeコマース用イベントを紹介します。コラムでは一覧を表で記載していますが、YouTubeの動画で各イベントの詳細を解説しています。なお、eコマースの計測は表にあるすべてのイベントを実装する必要はありません。サイト構造や計測に必要な購入プロセスに該当するイベントを実装しましょう。

表:eコマースのイベント
イベント トリガーのタイミング
add_payment_info ユーザーが支払い情報を送信したとき
add_shipping_info ユーザーが配送情報を送信したとき
add_to_cart ユーザーがカートに商品を追加したとき
add_to_wishlist ユーザーがほしいものリストに商品を追加したとき
begin_checkout ユーザーが購入手続きを開始したとき
generate_lead ユーザーが問い合わせフォームまたはリクエストを送信したとき
purchase ユーザーが購入を完了したとき
refund 払い戻しが行われたとき
remove_from_cart ユーザーがカートから商品を削除したとき
select_item ユーザーがリストから商品を選択したとき
select_promotion ユーザーがプロモーションを選択したとき
view_cart ユーザーがカートを表示したとき
view_item ユーザーが商品を表示したとき
view_item_list ユーザーが商品やサービスの一覧を表示したとき
view_promotion ユーザーにプロモーションが表示されたとき

図:eコマースイベントと購入プロセス

GA4 eコマースイベントのパラメータ、itemパラメータの種類

前の項目で紹介したeコマースの各イベントにパラメータ、itemパラメータが紐づきます。UA(ユニバーサルアナリティクス)の拡張eコマースとは違う箇所があるため注意が必要です。

表:eコマースイベントのパラメータ

パラメータ名 タイプ 必須 サンプルの値 説明
currency string ○* JPY イベントに関連付けられた商品アイテムの通貨(3 文字の ISO 4217 形式)。
* 収益の指標が正確に計算されるように currency を指定する必要があります。
value number ○* 1500 金額合計。イベントの金銭的価値。
* 収益の指標が正確に計算されるように currency を指定する必要があります。
coupon string SUMMER_FUN イベントに関連づけられたクーポンの名前、コードイベント単位と
商品アイテム単位の coupon パラメータは独立しています。
payment_type string Credit Card 支払い方法
shipping_tier string Ground、Air、Next-day 購入された商品アイテムの配送方法
affiliation string Google Store 仕入れ先業者や実店舗を指定する商品アフィリエーション。
イベント単位と商品アイテム単位の affiliation パラメータは独立しています。
shipping string 700 取引に関連付けられた送料。
transaction_id string T_12345 取引、注文ID
tax string 150 取引に関連付けられた税金。
item_list_id string r_000001 ユーザーに商品アイテムが表示されたリストの ID。
item_list_name string Related products ユーザーに商品アイテムが表示されたリストの名前。
creative_name string summer_banner2 プロモーション用のクリエイティブの名前。
creative_slot string featured_app_1 イベントに関連付けられたプロモーション用のクリエイティブ スロットの名前。
location_id string L_12345 地域の ID。
promotion_id string P_12345 イベントに関連付けられたプロモーションの ID。
promotion_name string Summer Sale イベントに関連付けられたプロモーションの名前。

図:eコマースイベントとパラメータのマッピング

表:itemパラメータ
itemパラメータ名 タイプ 必須 サンプルの値 説明
item_id string 〇* SKU_12345 SKUや商品番号や商品アイテムの ID。
*item_idかitem_nameどちらかが必須
item_name string 〇* Stan and Friends Tee 商品名
*item_idかitem_nameどちらかが必須
price number 1,500 指定された通貨パラメータの単位で表した商品アイテムの価格。
quantity number 1 商品アイテムの数量
affiliation string Google Store 商品元や店舗を指定する商品アフィリエーション
※パラメータとitemパラメータ両方にaffiliationはあります
coupon string SUMMER_FUN 商品に関連したクーポン名
※パラメータとitemパラメータ両方にcouponはあります
currency string JPY 通貨(3 文字の ISO 4217 形式) 設定すると、イベント単位の currency は無視されます。
discount number 100 商品に対する割引額
item_variant string green 商品アイテムのバリエーションまたは固有のコード、
あるいはその他の詳細やオプションに関する説明
item_brand string Google 商品アイテムのブランド
item_category string Apparel 商品アイテムのカテゴリや分類
item_category2 string Adult 商品アイテムのカテゴリや分類
item_category3 string Shirts 商品アイテムのカテゴリや分類
item_category4 string Crew 商品アイテムのカテゴリや分類
item_category5 string Short sleeve 商品アイテムのカテゴリや分類
index number 5 リスト内の商品アイテムのインデックスまたは位置
item_list_id string Related_products ユーザーに商品アイテムが表示されたリストの ID。
設定すると、イベント単位の item_list_id は無視されます。
item_list_name string Related products ユーザーに商品アイテムが表示されたリストの名前。
設定すると、イベント単位の item_list_name は無視されます。
location_id string L_12345 商品アイテムに関連付けられた場所。関連するアイテムに対応する
Google プレイス ID を使用することをおすすめします。カスタムの地域 ID も使用できます。
promotion_id string P_12345 商品アイテムに関連付けられたプロモーションの ID。
設定すると、イベント単位の promotion_id は無視されます。
promotion_name string Summer Sale 商品アイテムに関連付けられたプロモーションの名前。
設定すると、イベント単位の promotion_name は無視されます。
本コラムでと動画ではeコマースイベントに関連する概要をしています。実際に計測するために必要なdataLayerの出力コードやGTMの設定方法は以下の動画で解説しています。

動画:GA4の基礎「Google アナリティクス 4:eコマースとことん解説! Part2:dataLayerとGTMで送信」