Firebaseはモバイルアプリ開発向けのプラットフォームです。
様々な機能があり、その中でもGoogle アナリティクス計測は必ずと言っていいほど利用します。
Google アナリティクス4(GA4) を利用することでFirebaseのGoogle アナリティクスのデータとウェブサイトのGoogle アナリティクスのデータを一つのプロパティで集計しプラットフォーム間をまたいだ計測が可能になります。
ただし、Firebase Projectを作成する段階で設定を間違ってしまうと、後々になってから大変なことが起きてしまいますので本コラムではその注意点や検討しなくてはならないことをお伝えします。
(ちなみに、モバイルアプリのGoogle アナリティクス計測は「Google Analytics for Firebase(GA4F)」と言います。)
目次
クロスプラットフォーム計測の仕組みと構成概要
Google アナリティクス4のクロスプラットフォーム計測はFirbase ProjectとGoogle アナリティクス 4をリンクすることで可能になります。
Firebase ProjectとGA4のリンク設定を間違うと何が起きるのか
Firebase ProjectとGA4のリンク設定を間違うと、もちろんのことアプリとウェブサイトのデータは別々に集計されるため、クロスプラットの計測はできません。
では、リンク設定を修正すればよいかというと一つだけ問題が生じることがあります。
リンクを解除するとFirebase Project側の過去データが消失してしまいます。
リンクしているGA4にはデータは残りますが、リンク解除した時点でアプリのデータは計測されなくなります。
リンク解除せずに並行して別のFirebase Projectを実装すればいいのでは?リンク先GA4プロパティを複数設定すればいいのでは?と思うかもしれませんが、以下のような制限があります。
1つのアプリに複数のFirebase Projectを実装できるが、計測できるFirebase Projectは一つだけ
これにより、以下のような構成はできません。
1つのFirebase Projectを複数のGA4にリンクはできない
これにより、以下のような構成はできません。
このように1つのアプリにつき、計測できるFirebase Projectは1つだけ、かつFirebase ProjectとGA4のリンクは1対1でなくてはなりません。
Firebase Project作成時の注意点
Firebase Projectを作成時の手順2の画面で「このプロジェクトで Google アナリティクスを有効にする」が有効化されています。
手順3に進むとGA4のアカウントを選択する画面になり、アカウントを選択するとプロジェクトが作成可能になります。
この状態で作成すると選択したアカウント配下に新規にGA4プロパティが作られてしまいます。
というのも画面をよく見てみると「このアカウントに新しいプロパティを自動的に作成します」となっています。
意外とこれに気が付かずに作成ボタンを押してしまい、あらぬGA4プロパティにリンクしてしまうということが発生します。
(新規でGA4プロパティを作る構成で進めている場合は問題ありません。)
ここで無意識に新規プロパティを作ってしまった場合に後々「Firebase ProjectとGA4のリンク設定を間違うと何が起きるのか」の問題が発生するきっかけとなりますので注意してください。
リンク先のプロパティがわからない場合はどうすればよいかというと、一旦「このプロジェクトで Google アナリティクスを有効にする」を無効にしてから作ってください。
後からリンクすることも可能となっておりますので、リンク先の判明してから設定してください。
Firebase Project作成前に確認すべきこと
- モバイルアプリとウェブサイトを同じプロパティで計測する必要があるかどうか
- ある場合は、対象のウェブサイトの計測状況(すでにGA4が入っているか)を確認し、入っていればそのプロパティとリンク
- 対象のウェブサイトにGA4がまだ入っていない場合は、これからGA4を入れることを前提としてGA側のアカウント、プロパティ構成を検討しFirebase Project作成時または作成後にリンク
- モバイルアプリだけでの計測であっても、GA4プロパティとリンクする場合はGA4のアカウント、プロパティ構成を検討しリンク
まとめ
Google アナリティクス 4とのリンク設定を修正すると計測データが消失します。
その結果、アナリティクスデータを活用したプッシュ通知など行っている場合に影響が大きくなります。
そのため、なんだかよくわからないからといって適当にリンク設定することは避け、Firebase Project作成段階でGA4の構成やリンク先など確認してから対応することをおすすめします。