[GA4] Google アナリティクス4 データ探索レポートの解説
2021年11月25日
ライター:高田 和資

「データ探索」はGoogle アナリティクス4で追加された特徴の1つです。 今までGoogle アナリティクス360(有償版)にβ版として同機能は提供されていましたが、Google アナリティクス 4のデータ探索機能はGAのカスタムレポートのような自由形式の他、サイト内をステップ形式で離脱状況を把握できる「目標到達プロセスデータ探索」や複数の条件で重複しているユーザーを調べる「セグメントの重複」、個々のユーザー行動の詳細が分かる「ユーザーエクスプローラ」など探索の手法が利用できます。

また、ディメンションや指標をドラッグアンドドロップでレポートエリアに反映・削除ができるためレポートの作成工数を大幅に削減することが出来るようになりました。本コラムでデータ探索レポートの基本的な解説を行います。

データ探索の画面

データ探索のレポートは左メニューの「探索」から選択します。一覧画面は標準レポートのレポート構成とは大きく違い、データポータルの構成と似ています。画面上部で新規に作成する種類やあらかじめ用意されているレポートのテンプレートを選択できます。画面下部はユーザーが作成した各探索レポートが履歴として保存されています。

データ探索の各手法

データ探索レポートで利用できる手法の概要をヘルプより抜粋してまとめました。

ヘルプ:[GA4] データ探索ツールを使ってみる
https://support.google.com/analytics/answer/7579450

探索の手法 レポートの概要
自由形式 GAのカスタムレポートに似た形式です。一般的なクロス集計表の形式でデータが表示されます。棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、散布図、地図など、さまざまなスタイルの表示形式を適用することもできます。
コホートデータ探索 共通の属性を持つユーザーのグループの行動とパフォーマンスから、分析情報が入手できます。
目標到達プロセスデータ探索 サイトやアプリを経由するユーザーの各ステップをファネルレポートとして表示することができます。この手法を使用すると各ステップの遷移率を知ることができます。
セグメントの重複 複数のユーザー セグメントの相互関係がベン図で示されます。この手法を使用すると、複雑な条件を満たしている新しいユーザー セグメントを特定できます。
ユーザー エクスプローラ GAのユーザーエクスプローラレポートです 作成またはインポートしたセグメントを構成しているユーザーを表示できます。個々のユーザーのアクションをドリルダウンすることもできます。
経路データ探索 GAの行動フローレポートに似たレポートです。ユーザーのたどった経路がツリーグラフで表示されます。ユーザーがどのような経緯で、ウェブサイトやアプリにアクセスしているのかを確認できます。
ユーザーのライフタイム ユーザーの行動を分析して、顧客としてのライフタイム バリューを評価します。

データ探索レポートを作る流れ

データ探索レポートを作る流れを解説します。

STEP1:まずはレポートの「手法」を選択します

STEP2:変数エリアでレポートに使用するディメンション、指標をインポートします

STEP3:タブの設定エリアでレポートに反映する項目を設定します。

レポート作成例

それぞれのレポートは、デバイス別の主要KPI日別レポートの設定例です。 アウトプットはクロス集計の形にするため「手法;自由形式」を使っています。

変数エリアでインポートしたディメンション、指標

ディメンション 日付、月、デバイスカテゴリ
指標 ユーザーの合計数、セッション、利用ユーザー、表示回数、コンバージョン

タブの設定エリアでレポートに適用した項目

ディメンション 日付、月、デバイスカテゴリ
手法 自由形式
ビジュアリゼーション テーブル
セグメントの比較 なし
ディメンション:行 月、日付
ディメンション:列 デバイスカテゴリ
利用ユーザー、セッション、エンゲージメント率、表示回数、コンバージョン
セルタイプ 棒グラフ
フィルタ なし

完成したレポート

データ探索レポートは今までのGAで作成していたレポートからUIや自由度が大きく変わりました。慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、手法やグラフの種類、アドホックにレポートへ反映できる点など、GAのカスタムレポートから大幅にできることが増えています。GA4でよく利用する機能になりますので、ぜひ利用していきましょう。