2021年3月、Googleアナリティクス4プロパティ(GA4)に参照元除外設定が追加されました。
ユニバーサルアナリティクスの「参照元除外リスト」に近い機能ですが、GA4では4つのマッチタイプと正規表現による設定が可能になり、より細かい制御ができるようになりました。
さらに、自ドメインやクロスドメイン設定をしたドメインからの参照がデフォルトで除外されるようになりました。
※この機能は2021年3月上旬からプロパティごとに段階的に適用されています。
本記事では、GA4の参照元除外設定と自己参照除外機能の詳細と設定方法をご紹介します。
1.GA4の参照元除外設定
参照元除外設定は、主に自身のウェブサイトの遷移の途中で外部のウェブサイトを介する場合に、外部のウェブサイトのドメインを参照元として計測させないようにする目的で使用します。
ユニバーサルアナリティクスの場合、セッションの途中で参照元が変わるとセッションが切れますが、GA4では参照元が変わってもセッションは切れません。
しかし、GA4ではセッションの途中で参照元が変わった場合、セッションの参照元は変わりませんが、イベントの参照元は変わります。
そのため、外部のウェブサイトのドメインを参照元から除外しない場合、自身のウェブサイトに戻った際に外部のウェブサイトのドメインがイベントの参照元として計測され、本来の参照元から変わってしまいます。
これに対し、GA4の「除外する参照のリスト」に計測させたくないドメインを登録すると、イベントの参照元ドメインが登録条件に一致した場合に、イベントに対してパラメータ「ignore_referrer」値「true」が追加され、除外するドメインとして認識されます。
その結果、除外したドメインがイベントの参照元として計測されず、本来の参照元が引き継がれます。
例えば、ECサイトの支払処理の際にAmazon payなどの外部決済サイトに移動して戻ってくるという場合に、外部決済サイトのドメインを参照元から除外することで、そのドメインが参照元として計測されないようになります。
2.自己参照の自動除外機能
自身のウェブサイトが参照元となる自己参照は、以下の条件に当てはまる場合にデフォルトで除外され、参照元として計測されません。
- 参照元のドメインが、現在のページのドメインまたはサブドメインと一致する場合
- 参照元のドメインが、クロスドメイントラッキング設定をしたドメインと一致する場合
アユダンテコーポレートサイトのGA4プロパティでは2021年3月2日頃から自己参照の除外機能が適用されているようです。
また、リファラーが自ドメインのページの場合、パラメータ「ignore_referrer」の値が「true」として計測されていることがわかります。
3.GA4の参照元除外設定方法 ※2022年9月更新
設定にはプロパティの編集権限が必要です。
- GA4の管理画面で、[プロパティ]列の[データストリーム]で対象のWebストリームを選択します。
- 画面下部の[Google タグ]で[タグ設定を行う]を選択します。
- 画面下部の[設定]で右側の[すべて表示]をクリックし、 [除外する参照のリスト]を選択します。
- 以下のマッチタイプから選択し、ドメインを入力して保存します。
・参照ドメインが次を含む
・参照ドメインが次で始まる
・参照ドメインが次で終わる
・参照ドメインが次と完全に一致
・参照ドメインが次の正規表現に一致
4.実例
参照元除外設定をした場合の実例です。
- 設定内容
除外する参照のリストに対象の外部ドメインを設定 - ユーザー行動
1.Googleの自然検索から自身のウェブサイトに流入
2.ウェブサイト閲覧の途中で「除外する参照のリスト」に設定した外部のウェブサイトに移動し、そこから自身のウェブサイトに再訪する
3.コンバージョンイベントを達成する - デバッグモードの表示
1.Googleの自然検索から自身のウェブサイトに流入し、セッションを開始しました。
イベント「page_view」のパラメータ「source(参照元)」に「google」が計測されています。
2.セッションの途中で外部のウェブサイトに移動し、そこから自身のウェブサイトに再訪しました。
イベント「page_view」に、除外する参照元を表すパラメータ「ignore_referrer」値「true」が計測されています。
パラメータ「source(参照元)」は追加されていません。3.コンバージョンイベントを達成しました。
- 集計結果
コンバージョンイベントの参照元/メディアが「google / organic」という結果に。
除外したドメインが計測されず、セッション開始時の参照元が計測されており、参照元除外設定が適用されていることが確認できました。
Google アナリティクス 360、オプティマイズ、データポータルの各サービスについてはアユダンテGMPサイトをご覧ください。