Googleアナリティクス360 拡張eコマースとデータポータルの活用事例レポート「株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様」
2019年12月23日
ライター:高田 和資

株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様にて、Googleアナリティクス360とデータポータルを利用したダッシュボードの作成から、データの可視化における業務内容の変化についてお話を伺いました。

「ゴルフで世界をつなぐ」を理念に株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様では、ゴルフメディア、ゴルフ用品販売、ゴルフレッスン、ゴルフ場予約を主な軸として事業を展開しています。

今回はショップサイトの拡張eコマースの追加計測支援、データポータルの可視化支援のご依頼をいただきました。
今まで商品詳細ページからトランザクションまでを拡張eコマースを使い計測していました。新しくトップページの各バナーのimp、clickを追加計測することで各バナーがトランザクションにどれだけ貢献しているかを可視化することが出来ました。

さらに日次、週次で行っている集計業務をデータポータルに移管することにより、ユーザーの属性や閲覧している主要コンテンツ、各施策から注文された商品の詳細情報が可視化され、集計業務の削減、次のアクションへの気づきがわかりやすくなりました。

今回はご担当の3名の中から赤堀 容子様にお話しを伺いました。

  • ゴルフ場ビジネスユニット 企画部 マーケティングチーム マネージャー
    加藤 一輝 様
  • リテールビジネスユニット 企画部 サービス企画チーム マネージャー
    塚原 しおり 様
  • リテールビジネスユニット 企画部 サービス企画チーム
    赤堀 容子 様

高田:所属するチームや赤堀様のお仕事内容をお聞かせください。

赤堀:GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)は日本最大級のゴルフポータルサイトを運営しています。大きくゴルフメディア事業、ゴルフ用品販売事業、ゴルフ場予約事業、ゴルフレッスン事業の4つに分かれており、それぞれ部門ごとにマーケティングの担当者がいますが、私たち企画部ではGDOゴルフショップ(EC)のマーケティングやサイト改善を主に担当しています。

また、GDO全体で部門を横断したデータ分析を担っているチームがありますので、分析チームとも連携して業務を行っています。

お客様がゴルフ用品を探す、購入する、売るシーンにおいて少しでもお役に立てるように、各担当者がそれぞれの領域で日々コンテンツの作成、サイトの改修、運用を行っています。

高田:ありがとうございます。今回、弊社に拡張eコマースの項目追加とデータポータルを利用したダッシュボード作成をご依頼された経緯を教えてください。

赤堀:まず、弊社では購買動向・閲覧動向を参考に施策を考えることが多く、プランニングの段階から施策の評価設計と目標数値をたて、施策実施後は目標数値との比較を行なって効果検証をしています。

高田:購買動向や閲覧動向を見るということは、かなりGoogle アナリティクスを見る機会が多いのですね。

赤堀:はい。他にも主要KPIが想定どおりに進捗しているか定点観測に利用したり、施策の効果測定の他、要因調査のために深堀をするときにGoogle アナリティクスを利用しています。チーム内でも定点観測用のレポートにまとめるメンバーもいますし、各担当者がそれぞれ調べたいことに利用しています。毎日誰かはGoogle アナリティクスを見ていますね(笑)

今までは各レポートをGoogle アナリティクスからダウンロードして、エクセルなど社内のフォーマットに合わせて複数のデータを加工してから利用する流れでしたので、集計の工数が多くかかっていました。また、Google アナリティクスでは様々な項目が計測されていることは知っていたのですが、チーム内で本当に見たいデータ項目を計測できておらず、ツールを使い切れていないということが課題でしたので、課題から解決していただける会社を探していました。

高田:今回、弊社から「拡張eコマースの項目追加の実装支援」やデータポータルを利用した「サイト全体レポート」「商品情報系のレポート」「閲覧ページ系のレポート」「導線分析用のレポート」などレポートの作成とワークショップを実施させていただきました。
実際に今はどのようにレポートを活用されているのでしょうか?

赤堀:まだトライアルで運用している段階ですが、今までのレポートは1週間に一度、担当者が1~2時間かけて集計していました。現在は今までのレポートも併用して集計しているのですが、新しいレポートは、項目や指標の数がかなり増えていますが、集計する時間が大幅に少なくなりました。

その代わりに今までのレポートで見ることができなかった数値や定期的に追っているデータではなく、施策やアイデアを出すために「眺める」という形で活用しています。

高田:データポータルのレポートをチーム内のMTGなどで利用しているのでしょうか?

赤堀:はい。例えばECサイトのトップページバナーは毎日更新しているのですが、各バナーのCTRなど今までは1週間後に集計されたレポートが作成された後に報告された数字を見ながら効果の判断をしていました。

Google アナリティクスにログインすれば日々の数値がわかるのですが、日々の業務の中で毎日、Google アナリティクスをみることが出来ない状況でした。でも、今回のデータポータルで作成したレポートですとボタン一つで見ることができるので次のアクションに対する判断が早くなりました。

今はちょっとしたMTG内でも「レポートをちょっと見てみよう」という感覚でその場で投影しています。業務に関わっているメンバー内で「これが良かった、悪かった」など経緯を含めて「こうだったのでは?」という仮説を立てながらディスカッションをするようになりました。

すぐデータを見ることができるようになったので、トップページのバナーで期待しているクリック数に達していないときは「クリエイティブの見直しをしよう」「違うバナーに差し替えてみよう」という感じで判断が早まっていることを実感しています。

高田:チームメンバーでディスカッションができて、判断が早くなっているのは素敵な活用方法ですね。他のレポートの活用方法はいかがでしょうか?

赤堀:サイト全体の「サマリーレポート」や「流入系・導線分析系」のレポートは主に異常値の要因調査に利用しています。弊社はまず、社内の購買データをみることが多いのですが、日々の目標に対して異常値があると「どの指標が影響を与えたのか」「PCやモバイルなどデバイス別で動きに違いがあるか」などサマリーレポートやページ閲覧系のレポートで「どこを起点にして調べればよいか」が以前に比べると早く見つけられるようになりました。

それ以外にもユーザーの動きを可視化できるようになりましたので、以前は気づかなかったユーザーの動きを気づけるようになったのが新しい発見ですね。

例えば、今までは購買データの方がデータの集計が簡単にできる環境であったため、購入され始めたタイミングでしかニーズの高まりに気づくことが出来ませんでした。

今回の追加取得したデータ項目とページ閲覧系のレポートを組み合わせると、売れ始める前の早い段階でニーズの高まりに気づけることがわかりました。特定のジャンルの興味関心が高まってきているということに気づけるようになってきたので、「じゃぁ、企画やバナーなどこのジャンルの露出を増やしてみよう」という動きが出来るようになってきました。

他にも流入系と導線レポートでは、閲覧開始数やPV数の組み合わせを意識できていなかったのですが、今回のレポートで加工しなくてもすっきりと見ることが出来るようになりました。

閲覧開始数は少ないけれども、サイト回遊時に閲覧されているコンテンツがはっきりとわかるようになり、流入とサイト回遊の相関関係を意識するようになりました。露出していないけれど実はコンバージョンに貢献している「コンテンツの力」が可視化できるようになり、新しい仮説や施策に繋がるようになりました。

高田:当初、想定していた集計以外の利用方法をされていますね。レポート作成後のワークショップはいかがでしたでしょうか?

赤堀:今回のレポートを利用するまでは、自分のチームでデータポータルを利用していませんでした。データを落としてエクセル上で加工するという形が中心でした。

レポートを作成していただいた後のワークショップは部署のメンバー20名ほどで参加したのですけれども、データを自分たちで可視化をするのが簡単になり、各担当者が興味をもったのが大きいですね。

ワークショップでデータポータルの基本的な使い方から、実際に作成したレポートをもとに自分が見たいデータを可視化できることがわかりましたので、各担当者がそれぞれ自分たちで業務に活用しはじめたのはとても良い成果だと考えています。

実際に今回のレポートをMTG中のディスカッションで活用していると、追加したいデータや、もっとよいグラフ表現の仕方など、レポートをもっとブラッシュアップしたいという要望が出てきました。ワークショップを実施していただいたおかげで、自分たちでもレポートの修正や項目の追加が少しずつですが、出来るようになってきました。

高田:ワークショップを行ったときにチームメンバーの皆さまが「●●のようなレポートを作りたいのですが、どのような考え方でレポートを作ったらよいでしょうか?」など、積極的に質問されていたのが印象的です。

赤堀:チーム内ではレポートの集計工数削減よりも、予想以上にレポートを通じて新たな気づきが得られ、様々な判断をするスピートが早くなったことに価値を感じています。

今回作成いただいたレポート以外でもチーム内で「こういうことが出来るのでは?」「こういう使い方をしたら良いのでは?」という形で、今までのレポートとは違う発見がありますね。まだ、気づいたことを試しながら実行している段階ですが、早く運用の形に落とせるようにしたいですね。

弊社はGoogle アナリティクスのアクセスデータに購買データや会員データなど、複数のデータと紐づけて分析を行っているので、個々のメンバーが自分の業務に様々なデータを活用しています。

今回は、Google アナリティクスのデータを中心に活用していますが、次のフェーズでは社内の購買データや会員データも組み合わせて施策に活用していこうと考えています。

高田:本日はありがとうございました。

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この記事を書いた人
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高田 和資
シニアカスタマーサクセスコンサルタント
Google アナリティクス 360専任コンサルタント。WEB制作会社を経て、人材系サイトやECサイトのマーケティングを担当、Google アナリティクス導入支援の他、サイト分析、改善提案を得意とする。幼少期からサッカーに親しみ、現在もサッカーをこよなく愛する。
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