Googleアナリティクスにおける参照元、メディアやキャンペーンの計測仕様について
2019年04月8日

Googleアナリティクスの参照元、メディアやキャンペーンについて

Googleアナリティクスでは、参照元情報が取得できないセッションが開始した場合、そのユーザーの参照元情報が取得できるセッションまでさかのぼり取得できるセッション情報から参照元を適用させてセッションを計測します。

マルチチャネル データについて – アナリティクス ヘルプ

上記ヘルプページには以下の説明が存在します。

Google アナリティクスのマルチチャネル以外のレポートでは、セッションに関連付けられたキャンペーンがない場合、その前のセッションのキャンペーンが「継承」されます。一方、マルチチャネル レポートでは、このセッションは「直接」とみなされます。
たとえば、ユーザーが google.com の検索結果をクリックしてサイトにアクセスした後、ノーリファラーとして再びアクセスし、コンバージョンに至った場合、Google アナリティクスの通常のレポートでは、[トラフィック] に「google.com / organic」のコンバージョン数 1 が表示されます。マルチチャネル レポートの場合は、コンバージョン経路に「google.com / organic > direct / (none)」という経路のコンバージョン数 1 が表示され、さらに、「direct / (none)」の終点コンバージョン数 1、「google.com / organic」のアシスト コンバージョン数 1 も表示されます。

例えば、ユーザーAさんが下記の頻度と流入元でサイトへ訪問したとします。

4/1 広告経由で流入
4/2 自然検索で流入
4/5 直接流入(参照元情報が取得できない)
4/9 直接流入(参照元情報が取得できない)

4/5と4/9のサイトへの流入は、直接流入となり参照元情報が取得できません。
そのため、4/2の参照元情報が取得できるセッションまで遡り、4/5と4/9のセッションは自然検索流入として計測されます。

参照元情報を遡る日数は、キャンペーンの保存期間に依存します。
キャンペーンの保存期間は、Googleアナリティクスの管理画面から変更できますが、デフォルトでは6ヶ月となります。

つまり、先程のユーザーAさんが4/9の次の訪問が12/1で、その際の流入経路が直接流入だった場合、12/1のセッションは直接流入として計測されます。

ディメンション「直接セッション」について

Googleアナリティクスでは参照元情報は計測仕様上、参照元情報が取得できない場合、参照元情報が取得できるセッションまでさかのぼってしまいますが、正しい参照元情報を確認したい場合は、ディメンションの「直接セッション」が参考になりますが、実に注意が必要なディメンションです。

ディメンション「直接セッション」は、セッションの参照元がノーリファラーの場合(ユーザーがブラウザに URL を直接入力した、ブックマークを利用してウェブサイトにアクセスした場合など)、この値は「Yes」=(true)として集計されます。

加えて、独立する 2 つの連続したセッションにおいて、まったく同じキャンペーンの詳細がある場合も、「Yes」=(true)として集計されます。

上記以外の場合は「No」=(false)として集計されます。
この計測仕様は、下記のヘルプページに記載されています。

BigQuery Export のスキーマ – アナリティクス ヘルプ (「trafficSource.isTrueDirect」を参照)

セッションの参照元がノーリファラーの場合(ユーザーがブラウザに URL を直接入力したか、ブックマークを利用してウェブサイトにアクセスした場合)、この値は「true」に設定されます。また、連続していても互いに独立する 2 つのセッションにまったく同じキャンペーンの詳細がある場合も、「true」に設定されます。そうでない場合は「null」に設定されます。

このため、ディメンション「直接セッション」が「Yes」=(true)として計測されていたとしても、確実に参照元情報が取得できなかったセッションというわけではありません。

セッションが変化する際に、以下の流入変数が利用されます。
utm_medium / utm_source / utm_campaign / utm_term / utm_content

一般的には、キャンペーン URL パラメータ(utm_source、utm_medium、utm_term、utm_content、utm_id、utm_campaign、gclid)のうち、いずれかの値が変化すると、新しいキャンペーンとみなされて、新しいセッションが開始されます。
上記、流入変数がすべての変数が同じである場合では、「Yes」=(true)として集計されます。
変数がutm_source、utm_mediumしか存在しない、Organic Search(例えば、参照元/メディア=google/organic)は、異なるセッションで連続した場合は、「Yes」=(true)として集計されます。

例えば、ユーザーBさんが下記の頻度と流入元でサイトへ訪問したとします。

4/1 広告経由で流入
4/2 自然検索で流入
4/3 自然検索で流入
4/5 直接流入(参照元情報が取得できない)
4/9 直接流入(参照元情報が取得できない)

このときディメンション「直接セッション」の集計は以下となります。

4/1 直接セッション=No
4/2 直接セッション=No
4/3 直接セッション=Yes
4/5 直接セッション=Yes
4/9 直接セッション=Yes

ディメンションの「直接セッション」が使えるのは以下となります。

  • セカンダリディメンション
  • カスタムレポートのディメンション、フィルタ
  • マイレポートのディメンション、フィルタ

ディメンションの「直接セッション」が使えないのは以下となります。

  • セグメント
  • ビューフィルタ

まとめ

前述のようにGoogleアナリティクスの参照元、メディアやキャンペーンの計測は、アナリティクスツールであるGoogleアナリティクス独自の仕様が存在します。
他のアナリティクスツールにも独自の仕様が存在します。
そのため、Googleアナリティクスと他アナリティクスツールの数値は当然のように異なります。数値を同じにしようと考えてはいけません。
また、同じGoogle内のプロダクトであるGoogle広告、Search Consoleなども近しいディメンションと指標は存在しても数値は、計測仕様が異なるため数値も異なります。こちらも同じ数値になると考えないようにしましょう。

現在のマーケティングにおいてデータは非常に重要ですが、それぞれのデータがどのような思想・目的で集計されるために作成されたアナリティクスツールなのか、計測仕様を理解した上でデータを活用をすすめていきましょう。