Googleアナリティクス360活用事例。株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様にて、Googleアナリティクス360におけるデータインポートAPIを利用したCRMデータ連携についてのお話を伺いました。
「ゴルフで世界をつなぐ」を理念に株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様では、ゴルフメディア、ゴルフ用品販売、ゴルフレッスン、ゴルフ場予約を主な軸として事業を展開しています。
Google アナリティクス360とBigQueryを導入し、データ活用環境の構築と分析の施策展開の中で、株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様が保有するCRMデータのさらなる活用のため、データインポートAPIを利用したGoogleアナリティクス360とCRMデータの連携強化施策を行いました
今回お話を伺いましたのは、株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン お客様体験デザイン本部 CRM推進部 情報活用分析チーム:金澤 岳 様、鈴木 基晃 様、丸山 透 様です。
インタビュー
村山:所属するチーム内で鈴木様はどのようなお仕事をされていますか?
鈴木:私が所属している、お客様体験本部 CRM推進部 情報活用分析チームでは、Googleアナリティクス360、BigQueryを中心とするGooglマーケティングプラットフォームと、DWH(AmazonRedShift)をメインに運用しています。
私は、前職までの経験からDWHを扱っている部隊に所属していましたが、Googleマーケティングプラットフォームのプロジェクトにも今回からジョインすることになり、GoogleマーケティングプラットフォームとDWHを橋渡しするハイブリッド的な役割として、プロジェクトマネージャーから開発まで、横断データの活用推進を担っています。
伊藤:前職では、どのようなDWHを扱っていたのですか?
鈴木:AWSにてデータベースの設計から運用まで一通り対応していました。
その時のスキルセットが現在のDWHを取り扱う素養になっているだけでなく、BigQueryを利用する際も役に立っていると思います。
今まで利用してきたDWHとは違い、BigQueryは多次元DBとなりますので、新鮮ですし勉強になります。
伊藤:やはりBigQueryは面白いですよね。
鈴木:BigQueryはとても面白いです。DWHから抽出したデータをBigQueryに入れて分析し、いかにDWHにインポートすればよいかというところにやりがいを感じています。
村山:データを集約する場所としてBigQueryを使っているではなく、分析ツールとして使っているんですね。
丸山:BigQueryとDWHを併用しています。データ活用を行なう上で、DWH内のデータを使ったレポーティングですと専門スキルが必要となるため、専門チームにデータ抽出依頼が必要となってしまいます。
BigQueryはSQLさえを使うことができれば、マーケティング担当がいつでも分析可能になるため、エンジニアに依存することなくスピーディーに各々が実施した施策のPDCAサイクルを回せると考えています。
伊藤:所属するチームではレポーティングも行なうのですか?
丸山:基本的には、事業部のスタッフが分析する上でのKPI設計とGoogleタグマネージャー360を使ったメジャメント設計、PDCAサイクルを回すための土台と下地を作る仕事がメインですが、Googleアナリティクス360を始め、Googleデータポータルを用いた全社向けダッシュボードも開発しています。
金澤:DWHから抽出したデータを可視化するのにビジュアライゼーションツールを使っており、現状ではGoogleデータポータル以外にもTableau、MicroStrategyなど複数のツールを利用しています。
今後、Google マーケティングプラットフォームとDWHの連携を強めていく中で、ユーザーがそれぞれの業務に最適なツールを選択できるようになればよいと考えています。
村山:GoogleマーケティングプラットフォームとDWHの連携を強めていく上で、今回のデータインポート自動化施策がスタートしたんですね。
丸山:Googleマーケティングプラットフォームに留まらず、Googleクラウドプラットフォームの活用も考えていく中で、今回のデータインポート自動化施策がありました。
今までもDWHから抽出したデータをGoogleアナリティクス360へ手動で毎月1回データインポートしていましたが、この対応方法では当月に新規会員登録を行なったお客様、会員情報を更新されたお客様の属性データがすぐに反映されず、タイムリーに活用できないと感じていました。
鈴木:今回のデータインポート自動化施策のキモは大きく2つ存在すると思っています。
1つは毎月1回対応していた手動でのデータインポートに関する工数を削減できたことです。
弊社でのGoogleアナリティクス360のプロパティ構成は、横断計測用のプロパティとサブドメインごとのプロパティで集計しているため、50を超えるプロパティが存在します。
50以上のプロパティに対して手動にてデータインポート作業を行なうと、他業務を行いながら対応するものの3日間はデータインポート作業を行っていました。
今回のデータインポート自動化施策を行なうことで、毎日1回10分程度の時間で50を超えるプロパティに対してデータインポート作業が自動で完結しています。
もう1つは、Googleアナリティクス360に取り込まれるDWHから抽出したデータの鮮度です。
今までは手動でデータインポート作業を対応していたため、毎月1回のデータインポートが限度でした。
毎月1回ですとインポートされるデータの鮮度が落ちてしまいます。
データインポート自動化により、DWHから抽出したデータが1日1回の頻度でGoogleアナリティクス360へデータインポートされることで、データの鮮度が格段に向上しました。
村山:データの鮮度を高めるのはマーケティング施策を行なう上で重要ですよね。
社内で喜ばれる方も多いのではないかと思います。
手動でのデータインポートよりメリットの大きい自動でのデータインポートですが、活用されている企業様はあまり多くはないように感じます。
データインポート自動化施策を行なう際、苦労されたことはありますか?
鈴木:データセット内でデータが追加された際に、データインポートの自動化プログラムが落ちないように処理するといった点があります。
また、新しくプロパティが増えた際もGoogleアナリティクス360の管理画面にてデータインポート設定でデータセットIDさえ取得してしまえば、データインポート自動化の対象に含めることができるように対応しました。
あと、消すタイミングも試行錯誤しました。
データインポートしたファイルが存在する中で、新たにデータインポートしたいファイルをアップロードしてしまうと新旧のデータファイルが存在してしまいます。
そのため、新たにデータインポートファイルをアップロードする前に旧データインポートファイルを削除し、その後、新たなデータインポートファイルをアップロードしています。
この仕様ですと、データインポートファイルが存在しない10分間にサイトへ訪問したユーザーはデータインポートファイル内のデータとマッチングさせることができません。
しかし、APIの特性もわかってきたので、新旧データインポートファイルのアップロード、削除処理は改修を行おうと考えています。
金澤:DWH側のデータ出力についても、データインポートを手動で行っている際は月次で更新されたデータを基に取込み用のファイルを出力していました。
今回のインポート自動化対応に伴い、よりリアルタイムに近いデータをGoogleアナリティクス360に取込めるようにするにはどうすればよいか鈴木と試行錯誤し、その結果としてDWH側から日次で更新されたデータを出力することが可能となりました。
丸山:今回のプロジェクトは、事前の仕様設計から要件定義書をしっかりと作成しながら進めてきたため、CRM以外の商品データなどを自動化されたデータインポートプログラムに組み込もうとしても、スムーズに対応できるのではないかと想定しています。
伊藤:今はCRMに関するデータインポートを中心に自動化されていますが、広告関連のデータインポートも組み込んでみてもよいかもしれませんね。
データインポートには費用データのデータインポートタイプも用意されていてGoogle以外の広告データもデータインポートできます。
Yahoo!、Twitter、FacebookやCriteoなどの費用データも自動的にデータインポートできるとよいですね。
村山:データインポートを自動化されるにあたりGoogleアナリティクス360のAPIを試行錯誤しながら開発されていったかと思いますが、Googleアナリティクス360のAPIは理解しやすかったですか?
鈴木:ManagementAPIの情報は少なかったですね。情報を探すのにとても骨が折れました。APIを実行してみなければわからないというのがとても不安で…。
情報が少なかったので、アユダンテさんにご質問させていただき、明確な回答をいただくことで開発スピードが速く、円滑にすすむようになったと感じています。
丸山:ご質問させていただいた回答やお打ち合わせの場にて、ヒントやきっかけをいただくことで、今まで踏み込むことができなかった領域の第一歩を着実に進めることができ、Googleクラウドプラットフォームへの夢が広がりました。
村山:ありがとうございます!今回はGoogleマーケティングプラットフォームとDWH連携の第一歩としてGoogleアナリティクス360へのCRMデータのデータインポート自動化プロジェクトでした。
今後も株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様が構想されているGoogleマーケティングプラットフォーム、DWHとGoogleクラウドプラットフォームの連携活用を推進させるべくサポートさせていただきたいと思います。