ユニバーサルアナリティクスでスポンサードサーチのキーワードが取得できるように
2014年08月15日

現在、Googleアナリティクスのアップグレード版として提供されているユニバーサルアナリティクスにて、Yahoo!プロモーション広告のスポンサードサーチ経由によるキーワードが取得できるように仕様変更されていました!
このキーワードというのは、広告に入稿したキーワードではなく、実際にYahoo!検索にてユーザーが検索したクエリを指します。

  1. カスタムキャンペーンパラメータを付与すると取得できなかった検索クエリ
  2. ユニバーサルアナリティクスもGoogleアナリティクスと同じ仕様へ変更に
  3. utm_term= を設定している際の注意点
  4. リスティング広告プレイヤーのレポート活用方法しだい

カスタムキャンペーンパラメータを付与すると取得できなかった検索クエリ

ユニバーサルアナリティクスが正式にリリースされたにも関わらず、ga.jsで動くGoogleアナリティクスから移行アップグレードすることができなかった理由の1つとして、カスタムキャンペーンパラメータを、Yahoo!プロモーション広告のスポンサードサーチに設定したリンク先URLにセットすると、Yahoo!検索で実際にユーザーが検索したクエリを取得することができないという問題点がありました。
ga.jsである旧Googleアナリティクスでは、上記のようなケースにおいても、実際にユーザーが検索したクエリは、ディメンションの「キーワード」にて確認することができていたのですが、ユニバーサルアナリティクスにおいては、同じディメンションを指す「キーワード」を確認しても(not set)となってしまい、スポンサードサーチ経由でサイトへ流入したユーザーが検索したクエリを確認することができないといった状況が続いていました。

ユニバーサルアナリティクスもGoogleアナリティクスと同じ仕様へ変更に

そんな日本のWeb広告、解析に関わる担当者の悲痛な叫びに応じてか、ユニバーサルアナリティクスにおいてもGoogleアナリティクスと同じ仕様に変更していただけたようです。

UA画面キャプチャ
「参照元/メディア」で、yahoo / cpcでもキーワードが出ている。

上記のキャプチャからもわかるように、参照元/メディアがyahoo/cpcの際も、実際にユーザーが検索したクエリが「キーワード」ディメンションにて取得できているのを確認することができます。

utm_term= を設定している際の注意点

ユニバーサルアナリティクスにて、スポンサードサーチ経由の検索クエリが取得できないと判明した際に、Yahoo!プロモーション広告に設定した広告入稿キーワードをレポート上に表示させるといった回避策がありました。キャンペーンパラメータ内のutm_term= に、広告入稿キーワード設定することで、実際にユーザーが検索したクエリではないものの、せめて(not set)なってしまうのを避けようといった手法です。
広告入稿したキーワードをキャンペーンパラメータ内に設定するとはいえ、1つずつキーワードを設定していくのは工数のかかる作業となってしまうので、実際はValueTrackを使用してキーワードを自動取得されていたのではないでしょうか。
ValueTrackとは、Googleが提供され使用することができるキーワード自動挿入機能となり、キャンペーンパラメータ内のutm_term= に対して使用することで、キーワードごとに個別でutm_term= の値を設定する必要がなくなります。実際にValueTrackを使用したキャンペーンパラメータ例は下記のようになります。

https://ayudante.jp/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_term={keyword}&utm_campaign=ypro_ss_01_brand

{keyword}に、広告入稿したキーワードが自動挿入され、ユニバーサルアナリティクスのレポート画面上にも自動挿入されたキーワードが反映されるという技術です。本来、キャンペーンパラメータに日本語を設定するとGoogleアナリティクスでは文字化けしてしまう可能性が高いのですが、ユニバーサルアナリティクスでは文字化けされて表示されてしまうのは極力避ける事ができるようになっているとのことで、広告入稿したキーワードが日本語の文字列でも、ユニバーサルアナリティクスのレポート画面上では文字化けすることなく表示することができるようです(それでも文字化けした値は存在しますが…)。

ここで本題の注意点ですが、今回のユニバーサルアナリティクスにおける仕様変更で、カスタムキャンペーンパラメータ内のutm_term= を設定している際に、参照元/メディアをyahoo/cpcのようなスポンサードサーチ経由に絞り込んだディメンション「キーワード」にて確認することができる値は、『utm_term=』にて設定している値となり、実際にユーザーが検索したクエリではなくなってしまうということです。utm_term= をカスタムキャンペーンパラメータ内に設定していない際は、実際にユーザーが検索したクエリが、ディメンションの「キーワード」に表示されます。
※上記はあくまでもカスタムキャンペーンパラメータを設定した値が対象となり、AdWords連携したAdWordsのデータに関しては、ディメンションの「キーワード」にて広告入稿したキーワード、ディメンションの「一致した検索語句」にて実際にユーザーが検索したクエリとなります。

リスティング広告プレイヤーのレポート活用方法しだい

紹介させていただきましたように、ユニバーサルアナリティクスにおいても旧Googleアナリティクスの仕様と同じように、Yahoo!プロモーション広告のスポンサードサーチ経由で流入したユーザーが、Yahoo!検索で実際に検索したクエリも取得することができるようになりました。ただし、リスティング広告のプレイヤーによっては、アクセス解析のレポート画面上にてユーザーが検索したクエリまでは確認する必要がなく、広告入稿したキーワードだけで今後の戦い方を判断できるといった運用を行っている方もいらっしゃるかと思われます。
今回のユニバーサルアナリティクスにおけるスポンサードサーチ経由の検索クエリが、(not set)になってしまう問題から転じて、解析設計担当者には「実際に検索されたクエリ」と「広告入稿したキーワード」のどちらかを選択することが可能となりました。どちらの値を選択するかは、リスティング広告プレイヤーを中心に、解析データからどのようなアクションを行っているかを前提に、判断されるのが良いのではないでしょうか。