※現在、アメリカ マウンテンビューで開催中のGoogle アナリティクスサミットで発表されたABC分析。使えるようになったという声もいくつか聞こえてきましたので、くわしく解説します。まだ画面が変わっていないよ、という方も、変更されたらすぐに活用できるよう、ご一読ください。(※10/9 ほぼすべてのアカウントで利用できるようになったようです。)
GoogleアナリティクスにABC分析という分析概念が追加されます。ABC分析というのは、Acquisition(集客)、Behavior(行動)、Conversion(コンバージョン)のそれぞれの頭文字が由来となります。 Acquisition(集客)は、どのように集客をしたか。Behavior(行動)は、サイトに集客したユーザーがどのようにサイト内を行動したのか。Conversion(コンバージョン)は、その名の通り、集客しサイト内を行動したユーザーが、目標ポイントに到達したかを表しています。
このABC分析という分析概念の追加に伴い、Googleアナリティクスにて変更、追加となる箇所は以下があげられます。
それぞれの項目について詳しくご紹介します。
各レポート名の変更
『トラフィック』レポートがAcquisitionを表す『集客』レポートに変更され、『コンテンツ』レポートがBehaviorを表す『行動』レポートに名称が変更されます。『コンバージョン』レポートについては名称の変更はありません。
日本語表記 | 英語表記 |
日本語表記では、上記のように『集客』→『行動』→『コンバージョン』となりますが、英語表記であれば『Acquisition』→『Behavior』→『Conversion』とABC分析という分析概念がわかるように名称が変更されています。
今回の変更では『行動』レポートについてはレポート名の名称変更のみ、『コンバージョン』レポートについては名称変更もなく、それぞれのレポート内に属している機能やメニューには大きな変更は見られません。
大きな変更が見られた『集客』レポート内では、レポートや機能の変更や追加が行われました。
集客メニュー | トラフィックメニュー |
ABC分析導入後 | ABC分析導入前 |
---|---|
上記のサイドナビゲーションを確認していただくとわかるように、『トラフィック』レポートでの「参照元」内のメニューが大きく変更、「広告」内に位置していた「AdWords」がメニュー項目として移動しています。
(「ソーシャル」と「検索エンジン最適化」内は変更がなかったためメニューを開いていません)
「AdWords」内では、「広告キーワード」が「AdWordsキーワード」として名称が変更されたのみとなりますが、「参照元」においては大きく変更しています。
そして「サマリー」と「チャネル」に新設を表すNEWのマークが付いていることがわかります。
「サマリー」はメニュー名としてはABC分析導入前の旧UIでも存在しましたが、表示する内容に大きな変更があります。また、「チャネル」というメニューが新設されています。
『集客』レポート内「サマリー」メニューの変更
『集客』レポート内「サマリー」メニューでは、表示する内容が下記のように変更されます。
ABC分析導入前の旧GoogleアナリティクスUIにおける「トラフィック」のサマリー
ABC分析導入後のGoogleアナリティクス新UIにおける「集客」のサマリー
新UIである『集客』レポート内の「サマリー」では、ABC分析の特徴でもある『集客』と『行動』、『コンバージョン』が1つの画面にて確認できるようになります。Organic Searchである自然検索や、お気に入りやブックマークなどのリファラーが取得できないダイレクト(Direct)など、それぞれの集客方法別に、サイト内に遷移した後の行動内容や、コンバージョンまでの到達などを確認することができます。
『集客』『行動』『コンバージョン』の各項目はタブにより別れており、選択することでグラフを変更することが可能です。
例えば、下記のように各集客方法別の「新規訪問」は、サイト内でどのくらいの「平均滞在時間」となり、「問い合わせ完了」として設定しているポイントまで到達しているのか。など、項目を変更することにより、集客内容に紐づく内容と結果をすぐに把握することが可能です。
「サマリー」においても、セグメント機能を利用することができ、下記のようなPCとモバイル(タブレットを含む)のセッションを比較して分析できます。
それぞれの集客経路別に、サイト内での行動、その結果を確認することで、より深く分析が必要となる箇所の発見に役立てることができます。
『集客』レポート内「チャネル」の新設
『集客』レポート内に新設された「チャネル」では、下記の内容が表示されます。
注意点としては、上記の赤枠で囲った「デフォルトチャネルグループ」とは、現在までの「参照元/メディア」とは別のディメンションとなり、今回のABC分析という分析概念を導入する際に新しく追加作成されたディメンションとなります。
「デフォルトチャネルグループ」はプロファイルごとに設定することができ、ビュー(旧プロファイル)設定画面にて編集することが可能です。
下記、赤枠のペンマークを選択することでチャネル定義を編集し、ペンマーク右の×マークを選択することでチャネル定義を削除することができます。
また、チャネル定義一覧下部に記載されているように、各チャネルグループでは上に記載されているチャネルから順番に適用されていきます。
このチャネルグループの設定、編集により、会社やサイト独自の流入計測の設定を行うことができます。例えば、下記のように検索エンジンで会社名やサービス名などの指名検索にてサイトに流入したセッションに対しては、(Direct)流入に含めるなどの設定をすることが可能です。
この設定により(Organic Search)で流入計測したいキーワードは会社名やサービス名などの指名検索を除外した潜在層中心のキーワードとして分析することができるようになります。また、このチャネルグループはマルチチャネルで使用されていたチャネルグループとは別となり、『集客』レポート用に設定することができるチャネルグループとなります。
「チャネル」内のレポートでは、「デフォルトチャネルグループ」以外に「参照元/メディア」「参照元」「メディア」など、今までのプライマリディメンションを選択し分析することが可能です。
旧UIでの「すべてのトラフィック」で表示される利用状況タブでは、「訪問数」「訪問別ページビュー」「訪問時の平均滞在時間」「新規訪問の割合」「直帰率」が表示されていたのに対し、新UIにて追加されたサマリータブでは、『集客』『行動』関連の指標に加えて『コンバージョン』での指標も1つの表にて確認することができるようになります。とても便利な点としては、旧UIではeコマースタブにおいても「コンバージョン率」しか確認することができなかったのに対して、新UIでは「目標の完了数」まで確認することができます。
この表のように、今回のABC分析の導入により『集客』レポート内の各メニュー内(Adwordsやオーガニック検索など)では、ABC分析の分析概念における『集客』『行動』『コンバージョン』が反映されています。
このABC分析のアップグレードによって、より早く、より詳細な数値をシンプルに分析できるように変更されたのではないかと感じます。