SEO Mythbusting シーズン2スタート!GoogleとBingがSEOの誤解を解く

2020年07月01日

Google WebmastersのYouTubeチャネルで配信されていたSEO都市伝説の誤解を解くシリーズ「SEO Mythbusting」がシーズン2になって戻ってきました。シーズン1では開発者からの質問に答えることがメインでしたが、今回はもっと一般的なSEOの誤解に答える予定とのことで、様々なテーマがカバーされていくでしょう。

シーズン2のエピソード1は2020年6月30日に公開され、ホストは今回もGoogleのMartin Splitt氏、最初のゲストはなんとMicrosoftのBing Web マスター ツールチームに所属するプリンシパルプロダクトマネージャーのSandhya Guntreddy氏です。

以下、エピソードの内容をご紹介します。

以下、シーズン2エピソード1の内容をまとめます。一部省略や言い換えをしておりますが、主な意味が失われないようにまとめております。

①外部リンクがたくさんあれば上位にヒットできるの?

Guntreddy氏:
外部リンクについての誤解はよくありますね。「外部リンクが多ければ上位にヒットできるの?」それが1つのランキングシグナル(検索順位に影響する指標)ではありますが、唯一のシグナルではありません。シグナルは数百件もあります。それでも実際悪い外部リンクでスパムする人がいます。
Splitt氏:
そのシグナルが非常に騙しやすくて、最重要ならたくさんリンクを買えば良いだけだったでしょう。

②検索エンジンの上位にヒットするにはどうすれば良い?

Splitt氏:
一番よく聞かれる質問は何ですか?
Guntreddy氏:
一番よく聞かれる質問は「上位にヒットするにはどうすれば良いか?」でしょう?
Splitt氏:
そうですね、一番人気な質問ですね!
Guntreddy氏:
その質問に対してはみんな非常に情熱を持っていますが、私たちが応えられる質問ではありません。私たちの最終ゴールはユーザーのニーズに応えることで、私たちはユーザーが望んでいることとウェブサイトが持っているコンテンツをマッチングするように、そしてウェブマスターに対して啓蒙活動をするように努めています。
Splitt氏:
そしてランキングに影響する要素は数百個もあり、つまみを回すだけで、データベースを少しいじるだけでランキングが変わるわけではありません。
Guntreddy氏:
そうです、そんなことはありません。ただ、私たちが上位にできるという誤解はあります。たまに、「手伝ってください」、「具体的なステップを教えてください」という連絡が入ることがあります。正しい意志を持っているサイトであれば、自分たちのウェブサイトでできる基本的なことを説明するなど、なるべくお手伝いするようにはしていますが…
Splitt氏:
Googleではその情報はすべてドキュメントで一般公開されていて、私たちは基本的に個別にサポートしていません。
Guntreddy氏:
GoogleでもBingでもウェブマスターガイドライン内に情報があります。正しい意志を持ってそれに従えば、上位にヒットできると思います。
Splitt氏:
その通りです、ユーザーを優先して、SEOの基礎を正しく実行すれば問題ないでしょう。Instagramのランキングについて問い合わせるDMが来たことがあってびっくりしました。
Guntreddy氏:
私たちもTwitterでDMやメールが来ることがあって、知り合いから連絡しようとする人もいます。
Splitt氏:
これは結構面白いですね、私たちに質問をしようとする方が多くて、それは私とGuntreddy氏だけではなく他の担当者もそうです。たまに同じ質問を複数の担当者にして、同じ回答が返ってくるか試している方がいます。Bing側もそうですか?
Guntreddy氏:
よくありますよ、できるだけ同じような回答を出そうとしています。でないと少し異なる意味で受け取ろうとする方がいます。
Splitt氏:
文脈が大事ですね。質問への回答は文脈に大きく依存することがあります。同じ質問でも、特定の状況だったら回答Aになって、別の状況だったら回答Bになることがあります。そしてその文脈を考慮しない人が出てきます。「Splitt氏がAと言ってたよ!」と文字通りに受け取ってしまう人がいます。
Guntreddy氏:
私たちはそれを意識していて、なるべく長めな文章にして、「はい、そうです」と文脈を無視しやすい形にしないようにしています。できるだけ情報を共有するようにはしています。たまに文脈を考慮しない人がいて残念ですが、難しいですね。YandexとBaiduも同じようなことが起きているでしょう。
Splitt氏:
改善しているところもあると感じていますか?現在のSEOコミュニティの傾向はどうですか?
Guntreddy氏:
以前と比べると理解があるように思います。裏の動きについて啓蒙をする方も増えています。以前検索エンジンがマニュアル対策を行っているなどの誤解が多かったのですが、そうではないことがわかり、検索の仕組みを理解している人が増えています。
コガン:ここのマニュアル対策とは、GoogleやBingが検索結果を手動でいじっていることを意味しているかと思います。スパムなどに対してのマニュアル対策はもちろんあります。

③検索広告を使っていたら、上位にヒットできるの?

Guntreddy氏:
最近他によく聞くのは、「広告を出稿していますが、SEOでももっと上位にヒットしますか?」。回答はNO、広告側のランキングはオーガニック検索とは全く異なります。別物で一緒に考えないように注意してください。
Splitt氏:
その通り、全く分かれているものです。

④SEOコミュニティがよりテクニカルになってきていないか?

Splitt氏:
技術者である私個人の見え方かもしれませんが、SEOコミュニティがよりテクニカルSEOを理解して細かい技術的な知識を身につけているように見受けられます。Bing側はどうですか?
Guntreddy氏:
同じくより技術的になってきていると思います。Bingがコンテンツとその裏の意図、ウェブサイトについて解釈しやすくするように、ウェブマスターがたくさん努力しているようです。ただそれと共に、基礎と全体図を忘れがちであることも見受けられます。

⑤Robots.txtのクロールブロック、BingbotとGooglebot

Guntreddy氏:
例えばRobots.txt内クロールブロックという技術的な施策の例があります。ブロックされたページはクロールできませんが、「なんでクロールしないの?」と聞かれて、「ブロックしていますよ!」。Bing側にはBingbotの検証ツールがあります。(コガン:クローラーのIPアドレスを入力して、Bingbotであるかどうか確認するツール)
それを作った理由としては、ウェブマスターになぜBingをブロックしたか聞くと「クロールしすぎだから!」という回答があって、ログを確認したところBingを偽装してクローリングしていた誰かがいたことに気づきました。(検証ツールを使って)BingbotのIPでクロールしているか確認して、もしBingbotでなければサーバーレベルでIPをブロックするように、または私たちに知らせるようにおすすめしました。
Splitt氏:
また、コンテンツを提出できるインデックスAPIもありますよね?
Guntreddy氏:
URL提出APIですね。新しい、または更新されたURLを提出すれば、最速にインデックスされます。
Splitt氏:
ロボットとクロールのPullではなく、Pushする仕組みですね。
Guntreddy氏:
また、クロールコントロールというツールがあって、営業時間のピークを教えてくれればその時間帯にはクロールしないようにします。クロールレートも教えてくれれば従います。
Splitt氏:
すごく良いツールですね!
Guntreddy氏:
このような対策によってよくなりましたが、(robots.txtでブロックされる問題)はまだ起きていますね。
Splitt氏:
私たちもよく、「ブロックしたのに毎日Googlebotがクロールしています」というお問い合わせがありますが、「Googlebotを偽装したものではないですか?」と確認し、IPアドレスの逆引きをすれば、大体Googlebotを偽装したものだったことがわかります。
Guntreddy氏:
クローラーはたくさん存在しますからね。
Splitt氏:
Robots.txtはすごく良い例で、厳密には標準ではないですが、私たちが一緒に動いて明示的に標準化を進めてきたことで事実上の標準となり、素晴らしいと思います。
Guntreddy氏:
Googleさんの記事を見ました、とても良いです。
Splitt氏:
(Googleの)GaryがBingと仕事していて、みなさんと一緒に動けて嬉しいようです。同じ意図で動いていて…
Guntreddy氏:
同じお客さんに対応しようとしていますね。
Splitt氏:
その通りです。お互い陰謀しているわけではなく、お互いから勉強しようとしています。個人的にクロールコントロールツールがすごく好きです。Googleにもそれがあればよかったと思います。
Guntreddy氏:
同じくGoogleが持っていて私たちもあれば良いのにと思っているツールがたくさんあります。

⑥Google Search ConsoleとBing Web マスター ツールの連携

Splitt氏:
実際に連携もありますね!Google Search Consoleでサイト所有者の確認をしていれば、自動的にBing Web マスター ツールでも承認されますね
Guntreddy氏:
それはリリースしたばっかりですね。ウェブマスターと話すと、サイト所有者の確認にすごく時間がかかると聞きました。そこでSearch Consoleでも同様の仕組みがあることに気づいて、その仕組み通り所有者の確認を行えば私たちもそれを認めるようにしました。同時に進めて、所有者の確認を行って、サイトマップをインポートしたり、シンクロで準備ができてとても楽でしょう。

⑦JavaScript SEOについての推奨事項

Splitt氏:
一つ苦労していることがあって、Bing側の考えを聞きたいです。JavaScriptについて推奨事項を出すのが難しいです。ウェブサイトのリソースの中では、JavaScriptはおそらく一番リソースがかかるでしょう。画像はそこまでかからなくて、動画でもある程度そのまま取得できますが、JavaScriptはそういきません。みんなJavaScriptを使ってすごくいいものを作っていますが、一方JavaScriptに頼りすぎないようにしてほしいです。バランスを取るのが難しいのです。Bing側はどうしていますか?
Guntreddy氏:
同じく、とてもリソースがかかると思っています。はじめに、そのウェブサイトとそのページの意図が正しいか理解しなければなりません。その意図を理解すれば優先度をつけやすいです。たまにいくつかのJavaScriptを実行してもページの意図がわからない、タイトルやディスクリプションがない、metaスクリプトがない、など私たちにはその中身を理解することができない場合があります。何かわからないものを本当に実行するべきか?私たちのリソースは限られていて、それらを効率的に使わなければなりません。そこを考慮してウェブサイト側はJavaScriptの利用について判断しなければならないところです。バランスを取る必要があります。
Splitt氏:
JavaScriptでクライアントサイドレンダリングされたアプリケーション自体は問題ではありませんが、クロールのコストがかかるし、最初は中身に関するヒントがありません。JavaScriptが実行されるまでタイトルなども存在しないし、意図を理解できないのです。その課題に対してサーバーサイドレンダリングとハイドレーションの組み合わせで対策することに対してどう思いますか?ブラウザに初期コンテンツを出して、その後JavaScriptを使ってユーザー向けに拡張する、というバランスになります。
Guntreddy氏:
良い対策だと思います。現状のユーザーはリッチな内容を望んでいるので結果的にはインタラクティブなページであることを目指すべきかと思います。それで一部サーバーサイド、一部クライアントサイドでバランスを取ると良いでしょう。
Splitt氏:
Bing側と推奨事項が合っているようで良かったです。

⑧サードパーティーツール、「クエリ意図」と「ユーザー意図」

Splitt氏:
たまに何かのサードパーティーツールを導入している方から「このツールを導入していてそのスコアが75なのになんで上位にヒットしないの?」のような変な質問がありますよね。
Guntreddy氏:
DAなどですね!(コガン:「ドメインオーソリティ」というMozのツールで使われる指標)
Splitt氏:
そのような指標ですね。
Guntreddy氏:
人は計測する際に何か数値、指標を望んでいますよね。それでそのことについて質問をしようとしますが、それが唯一のシグナルではないので答えは出ません。複数の要素があります。たくさんの人が忘れがちなのはクエリの意図があることです。コンテンツを提供していて、ページがインデックスされていることにフォーカスしがちですが、クエリに意図があって、その裏にユーザーの意図があること、私たちがその意図とページをマッチングしなければならないことを忘れがちです。この部分はまだ十分な啓蒙ができていないと思います。もう少し啓蒙活動をすれば、クエリの意図があって、ドキュメントの意図があることなどをサイト運営者もわかるようになります。
Splitt氏:
まとめますと、ツールが出している数値を見るより、ユーザーのニーズや意図を理解して、その意図に対して応えるようにしましょう、ですね。
Guntreddy氏:
ここはただ啓蒙の問題ですね。皆がそれをわかるようになるべきです。
Splitt氏:
何年も言い続けていますが…
Guntreddy氏:
まだ完全に認識されていないと思います。
Splitt氏:
それは残念です。でも本日はサイト運営者からどのような話が良く出てくるかの概要や、それに対する私たちの考えが異ならないことを伝えることができたかと思います。私たちは同じような課題で苦労して、同じような推奨事項を出しています。
Guntreddy氏:
ウェブマスターが同じことをしていればすべての検索エンジンがその同じことを認識します。基礎はとても似ています。もちろんいくつかの違いはありますが、基礎はすべての検索エンジンで同じです。
Splitt氏:
それでみんながユーザーの意図に合った最適なページを提供するようにしていくと良いですね。今後も色々面白いことが出てくると思います。

感想・まとめ(コガン)

Bingさんがとにかく「意図」(Intent)というワードを大事にしていることがよくわかりました。ユーザーやクエリの意図はもちろん、ページの意図を重要に思っているようで、特定のページが何をしたいのか、ユーザーに何を提供しているかをはっきり解釈できるかも重要のようですね。

シーズンプレビューとエピソード1からこのシーズンでは以前より多くの一般的なSEOトピックスがカバーされることがわかりました。誤解を解きつつ、検索エンジンの考え方をわかりやすく見せる面白いシーズンになりそうです。

エピソード2は「クロールバジェットについて」になります。こちらも和訳致しますので、興味がある方是非チェックしてください。

この記事を書いた人
コガン・ポリーナ (Polina Kogan)
コガン・ポリーナ (Polina Kogan)
SEOコンサルタント

SEOだけでなく、Google アナリティクスや広告の知識も生かしたコンサルティングを得意とする。グローバル案件も含め、数多くのプロジェクトを担当、女性コンサルタントとして活躍中。ロシア出身、英語、日本語、ドイツ語など6か国語を操る。

著書