Tableau or Data Studio? 今デジタルマーケティングでダッシュボード使うとしたらどれがいい?(前半)
2017年07月21日

Quick DMP担当の加藤です。
データドリブンマーケティングを実践するデジタルマーケターに今最も必要とされるツールの一つにダッシュボードが挙げられます。
なぜ今ダッシュボードが必要か、ダッシュボードで何が出来るのか、どういったダッシュボードを見れば良いかを今回の前半で整理していきます。

次回の後半ではデータドリブンマーケティングでよく使われるダッシュボードツールを一覧、比較し、最後に本コラム読者にとって最も興味がありそうなTableauとGoogle Data Studioにフォーカスを当て読者(の組織)にとって最適なツールを選択します。

【前半】

  1. なぜ今デジタルマーケターにとってダッシュボードが必要とされているのか?
  2. ダッシュボードで何が出来るのか?
  3. どういったダッシュボードを見れば良いか

【後半】

  1. データドリブンマーケティングでよく使われるダッシュボードツールをまとめて比較
  2. TableauとGoogle Data Studioどっちがどのような時いいの?

1.なぜ今ダッシュボードが必要とされているのか?

デジタルマーケターにとってなぜ今ダッシュボードが必要と言われているのか、まずはかんたんに解説したいと思います。

現在マーケティングの現場で活躍されているマーケターの殆どは、毎日何かしらのデータを管理画面で確認し、マーケティングのPDCAを回していると言えます。データドリブンなマーケティング活動を日々実践していくには、様々なデータを効率良く確認および分析ができるツールやプラットフォームが必要となるのです。

例えばECサイトのウェブ担当者の場合、オーガニック検索からの流入状況をGoogleアナリティクスやサーチコンソールの管理画面で日々確認します。
併せて広告からの流入状況もAdwordsの管理画面を通して確認します。さらに社内の基幹データベースには実店舗の売上データ(トランザクションデータ)がリアルタイムに記録されているので、慣れないSQL文を書きつつも実店舗の売上トレンドを確認します。

ECサイトのウェブ担当者は、こうした業務に一日の大半の時間が忙殺されているのが現状で、新たな施策を考え実施するような、担当者に本来求められている業務をこなす時間が実際は少ない状況にあります。
また管理するツールが複数ある事で、分断された数値を各ツールの管理画面で確認する必要があります。
それは各ツールでの活動をそのツールの中だけでのミクロな分析や改善だけで終わらせている事を示していて、マーケティング全体の活動を俯瞰して見る、即ち「マーケティングのプロセス全体での最適化」に至っていないのが実状です。

ダッシュボードはマーケティング全体の状況を一つもしくは最小限の画面で確認する事を可能にし、マーケターに本来求められている業務やゴールを遂行する事を支援します。

いつまでたっても改善しない施策、ヒットするはずだった(けどヒットしない)施策、また予想外にヒットした施策、ありませんか?
毎日見ているデータをダッシュボードで一箇所に集めて俯瞰して見る事で、比較的かんたんに解決策を見つける事ができます。現在マーケターの間で話題になっているダッシュボードツールであれば、こうした事が比較的かんたんに実現できます。

2.ダッシュボードで何ができるのか?

では具体的にダッシュボードツールで何ができるのでしょうか。デジタルマーケティングでの活用をイメージしながら、ダッシュボードツールの特徴的な機能を箇条書きにしてみます。

  • データの取り込み
  • 複数データの簡易統合、データ加工
  • データの集計、集約
  • データの可視化
  • データのインタラクティブなフィルタリングとドリルダウン
  • ダッシュボードの共有

かんたんに言ってしまうと「多種多様なデータを俯瞰できる」という事なのですが、上記6つがそれを実現する機能です。

これらを実現できればどれでも良いという訳でもありません。「快適に操作できる」という操作性の部分では、ベンダー間ではかなりの差があります。操作性の評価は人それぞれ違いますので、必要に応じて各ベンダーの試用版をダウンロードして試用してみてください。

弊社アユダンテの広告運用チームでは、メンバー全員がお客様の日々の広告運用にTableau Desktopを使用しております。Tableau Desktopの試用でしたらこちらからどうぞ。

3.どういったダッシュボードを見れば良いか?

あるべきデータドリブンマーケティングを実践するにはどういったダッシュボードを見れば良いのでしょうか?

まず一つの答えとしては、先述した「マーケティング全体の活動をダッシュボードで俯瞰して見る」という事です。

「マーケティング全体の活動データ」と言うと壮大なテーマに映るかもしれませんが、何事もスモールスタートする事は大事です。小規模のデータとデータを組み合わせて、Try & Errorの繰り返しで失敗を細かに修正していけば、最終的には望んだデータとダッシュボードになります。

では具体的にどういったダッシュボードを見ていけば良いか、今回は一例をご紹介しながらダッシュボードで見る事の価値をお伝えします。

まず今回は3枚のビジュアライゼーションを見ていきます。

以下のビジュアライゼーションをご覧ください。
一つめの”Ad Performance by Domain”というビジュアライゼーションでは、ドメイン毎のAdWords広告のコストとコンバージョン数の相関を表しています。

Ad Performance by Domain

二つめの”Page ranking”ビジュアライゼーションでは、ページURL毎の基本KPIを示しており、コンバージョン数でソートをかけています。

Page ranking

三つめの”Campaign ranking”ビジュアライゼーションでは、キャンペーン毎の基本KPIを示しており、コンバージョン数でソートをかけています。

Campaign ranking

これら3つのビジュアライゼーションは、それぞれ単独でも利用価値のあるレポートですが、以下3点が実現できれば非常に価値があるのではないでしょうか。

  1. Ad Performance by Domainで表示されている特定のドメインで実際に広告が表示されているページはどのページか、またどのキャンペーンか確認したい
  2. 上記1でページ毎のコンバージョンランキングを確認したい(またソートしておきたい)
  3. URLをクリックし実際のページをブラウザで確認したい

上記の実現のため、Tableau Desktopでダッシュボードを作成した例が以下です(デフォルト表示時)。

Google AdWords URL Performance Dashboard

Ad Performance by Domainで “ameblo.jp” をクリックしますと、Page rankingではameblo.jpドメイン配下のコンバージョンランキングをページURL毎に表示し、さらにPage rankingでランキング1位のページをクリックしますと現在運用中のキャンペーンのパフォーマンスが表示されます。

またページURLをクリックする事で、実際のページをブラウザで確認する事が可能となりました。
以下参考までにドリルダウン結果を示します。

Google AdWords URL Performance Dashboard drilldown

ここまでのプロセスから得られるアクションとしては以下が想定されます。

  1. まずは各ドメイン配下ページの基本KPIをチェック
  2. 各ページのキャンペーンを調整
  3. B2B企業の場合はブラウザに表示されたページタイトルやコンテンツから、既存キャンペーンの検索キーワードを確認し調整する事も可能

いかがでしたでしょうか。今回のようにデータをダッシュボードでビジュアルに俯瞰して見る事で、ダッシュボードならではの効果や価値を確認する事ができました。

次回はどのダッシュボードを選ぶべきか、ダッシュボード特集後半戦です。近日公開!お楽しみに!

[担当よりお知らせ]
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