ブラザー工業株式会社様
製造業のデジタルマーケティングを加速する、認識のズレのない運用体制

ブラザー工業様は現在、産業用領域でさらなる飛躍を目指し、工作機械などの産業機器事業に注力する一環として、デジタルマーケティングの強化にも取り組んでいます。アユダンテは2023年より、ブラザー工業様のSEOとデジタル広告の支援を開始し、デジタルマーケティングの基盤づくりから一貫して支援しています。支援開始以降、広告起点で数百件のリード獲得や複数台の成約に結びついています。生成AIを活用したペルソナ・カスタマージャーニー設計やデジタルコラボレーションツールを用いた広告クリエイティブ制作の協働により、認識のズレのない運用体制の構築を進めています。手ごたえを感じはじめている取り組みについて、ブラザー工業様に詳しくお話をうかがいました。(聞き手:寳)

(写真:左から/ブラザー工業田辺様、宮脇様、アユダンテ 黒岩、ブラザー工業 K様、アユダンテ 寳)

Meta広告の活用で工作機械が“売れる実感”を得る

ー今日はよろしくお願いします。最初に、効果をもっとも実感されたMeta広告の成果についてお聞かせください。以前はMeta広告を実施されていなかったと思いますが、導入の背景は何でしたか。

宮脇:Meta広告がBtoBでは最もリードを獲得できるという前情報を持っていたのと、私自身も韓国での経験からMetaが非常にリード獲得に優れていることを実感しており、Metaを活用したいという思いがありました。

ーMeta広告を実施する前に、社内で課題やつまずきはありましたか。

宮脇:最初はアカウント停止が続いてMetaに限らずGoogleもアカウントが止まってしまいました。その際は御社にサポートしていただき非常に助かりました。

我々も直接田辺さん(注:宮脇様のチームのメンバー)が一生懸命やりとりをしてくれていましたが、広告媒体への直接の問い合わせだけでは解決できなかった状況を、御社にご対応いただき解決するまで尽力いただきました。

K:ありがたかったのは、Meta広告の開始時に当社の少し特殊な状況もくみ取って対応していただけたことです。黒岩さんがハンズオンでやり方を教えてくださり、必要な設定を進めることができました。そうした、状況に合わせて柔軟な対応をいただけたことに感謝しています。

ーありがとうございます。実際はじめられたMeta広告の成果についてですが、取り組んでいるなかで営業活動に活きるリードが生まれてきているという嬉しいお話をうかがっています。Meta広告をはじめてから営業活動においてどんな変化がありましたか。

宮脇:結論から申し上げると、デジタル広告経由のリードから工作機械が複数台成約していることから、非常によい取り組みだと感じています。ご成約いただいたお客様も、我々が今までにリーチできていなかった新規のお客様や、競合のロイヤルユーザーなど、狙ったとおりです。

ホワイトペーパーのダウンロードの活動を昨年末から開始し、そこから数百件のリードを獲得し、そのなかから確実に受注へ結びついています。

ーありがとうございます。今お話をうかがったのはデジタル広告全体ですか、それともMeta広告に限ってのお話でしょうか?

宮脇:そういう意味では、デジタル広告全体です。ただ、リードが生まれているのはMetaがメインですね。

ーありがとうございます。昨年から徐々にデジタル広告に力を入れていくなかで、Meta広告も導入され、そのMeta広告も含めて全体としてリードの獲得数が増え、受注につながるアプローチができていると理解しました。今回の成功を踏まえて、今後デジタル広告の活用にどんな期待をされますか?

宮脇: Metaに限らず基本的には我々はデジタルマーケティングをきちんと運用し成果が見える受注や見積もりにつなげていきたいと考えています。これから力を入れていくのはインサイドセールスです。インサイドセールスにどれだけリードを渡せるか。そこからさらに売上にもつなげることで、当社のデジタルマーケティングのプレゼンスも高まると考えています。

ー現時点で活用されている広告ですと、インサイドセールスに渡せるリードになっているとうかがっているので、Meta広告やそれ以外の広告を含めて、引き続き実際の売上にもつながる活用ができるよう、ご支援できればと思います。

マーケティング活動の基盤としてのペルソナ・カスタマージャーニー

ー御社がペルソナ・カスタマージャーニーを作成しようと考えられたきっかけや背景を教えていただけますか。

宮脇:もともと数年前に作ったカスタマージャーニーがありましたが、施策の抜け漏れをチェックするなど活用は限定的でした。マーケティングを強化していくにあたり状況も変わってきたので、実際のお客様の行動に即したより精緻な設計が必要だという課題感を持っていました。デジタル広告を展開していく過程で「誰にどんなメッセージを届けるのか」を考える必要性が高まり、改めてペルソナをきちんと作りこもうという流れになりました。

また、我々のグループには商品企画の機能があり、お客様の声も集まっていましたが、部門ごとにメッセージが少しずつ違っていて、「一貫性を持たせる」ことが我々にとって重要なテーマでした。商品企画から販売、サービスにいたるまで、全体を通してペルソナとカスタマージャーニーをしっかり整備していこうという背景がありました。

ー今回、お客様へのインタビューは唐木さん(注:宮脇様のチームのメンバー)が担当され私たちはその場に立ち会ったり、生成AIを活用しながらたたき台を作ったり、ディスカッションに参加してまとめたりという要所要所での関わりでした。良かった点や印象に残った点があれば教えてください。

宮脇:実際に取り組むなかで、たとえば文字起こしなど細かい手間のかかる作業が多かったのですが、そうした部分を御社が積極的に引き受けてくださったので助かりました。加えて最終的に全体を整理して資料にまとめるところまでしっかり伴走していただけたのが印象的でした。

ーありがとうございます。アナログでやると非常に手間がかかる文字起こしも生成AIで大きく効率化できましたし、アクションをまとめるのは、広告だけでなく全体を理解する上で勉強になりました。

生成AIを活用しながら作成したカスタマージャーニー。ユーザーインタビューデータを時系列に並べた上でディスカッションを行い、ユーザーのMoT(Moment of Truth=真実の瞬間)を基にアクション案をまとめた。

ー弊社が支援したペルソナ・カスタマージャーニー設計によって、御社の施策や戦略にどのような具体的アクションが生まれましたか?

宮脇:今後の展開とは思っていますが、ひとつ価値を感じているのは、他の部の活動にこれ使っていいか、という問い合わせがあったことです。お客様のカスタマージャーニーが整理してまとめられている資料は他にないので、これを活用して何か検討したいという声が開発部門やCS部門から上がっています。もともと、部門間での認識合わせにも活用するつもりだったので、しっかり作っておいてよかったと感じています。

ー開発の方とCSの方からもですか。

ええ。彼らがアイデア出しや、それに付随する機能検討を行う際に、お客様が実際どのようにに使っているのかを知るために活用しています。

ー他部署の方も認識合わせに利用いただけているというのはとても嬉しいです。また、今回ペルソナの叩き台も、音声のテキスト化も、カスタマージャーニーも生成AIを活用しましたが、今までと比較して感じられたメリットはございますか。

宮脇:意外としっかりと内容を拾えている印象です。もちろん手直しは必要ですが、十分使えるレベルだと感じています。作業量としても大幅に短縮できたことは大きなメリットです。

ーありがとうございます。実際、唐木さんが非常に精緻なインタビューをされていたものを文字に起こして、それを実際に生成AIで言語化していきました。元々インタビュー自体がよくて、それを生成AIが効率化したのがうまくいったんだろうなと思います。

宮脇: AIでここまで精度の高い文字起こしができるのであれば今後も活用していきたいと思いますし、施策でも中長期的には、生成AIを使う方向性がありそうです。

確かな商材理解とツール活用による、齟齬のない広告クリエイティブ制作

ー広告クリエイティブを制作するにあたり、弊社に依頼しようと思った理由や背景を教えてください。

宮脇:もともとアユダンテ様にお仕事をご依頼したきっかけは、SEOの関係でプリンター部門でお付き合いがあり、紹介していただいたことです。

そのときは、具体的にお願いをしようと決めていたわけではなく、他社とも比較しながら検討をしていましたが、想像以上に前向きに話を聞いていただいたことが印象的でした。当社の商材は一般的なデジタルマーケティングで扱われるものとは異なるため、あまり興味を持っていただけないのではと思っていました。

ーそのような期待値だったんですね。

宮脇:はい、そうです。そのため積極的に興味をもっていただけたことが印象的でした。ラフな全体像を語らせてもらって、いろいろとご提案いただけそうだと感じ、お願いしてみようと思いました。

ーありがとうございます。広告のクリエイティブはそのいろいろなうちの一つになると思いますが、私どもはランディングページだけでなく、ホワイトペーパーなどのドキュメントを読み込んで理解した上で広告クリエイティブを提案することを心がけています。こうした私どものプロセスについては、どのように感じられましたか?

K:最初のうちは内製で運用していて、広告の設定や配信だけをお願いしていましたが、御社にクリエイティブの制作を依頼してからは数字も上がりましたし、テスト設計もしやすくなりました。黒岩さんと「どのようにテストしていきましょうか」と話し合いながらやり方を決め、「クリエイティブをこうしましょう」と一緒に進められる幅が広がったのが、とても良かったと思っています。

宮脇: 一緒に取り組む中で、御社が当社の事業に深く興味を持ってくださり、実際に愛知県刈谷市のショールームまで足を運んで実機を見ていただくなど、通常はなかなかしない対応をしていただきました。製品をしっかり理解いただいてクリエイティブを提案いただくので、説明の手間が省けて非常に助かっています。

ー私どもも商品やサービスについて理解するのは大事なことだと思っています。他にも展示会にも参加させていただいてその場の雰囲気を感じるなど、できるかぎり近い目線に立ちたいと思っています。御社にとっては、こうした私どもの姿勢によって得られるような成果や気づきはあるものでしょうか。

宮脇:我々としては仕事がスムーズに進むというのが一番メインで、一からすべて説明して、出てきたものがちょっと違うものになると、手戻りも多くなりますが、そういった齟齬を感じることがないです。これがやはり一番の良い成果だったと思います。

ーありがとうございます。広告クリエイティブを作るときに、コラボレーションツールを使って、コピーを検討したりアイデアを出したりしていますよね。こちらは役立っていますか?

宮脇:こちらの製品はもともと当社の別部署も使っていて、以前からカスタマージャーニーの作成で活用していましたので、我々としても使ったほうがやりやすいです。

ーちょうどよかったんですね。Kさんもよく使われていますよね。

K:はい、以前は代理店さんからPowerPointやExcelで提出いただいて、編集して再送する必要がありましたが、、ツール上でリアルタイムに共同編集やレビューができるので便利になりました。さらに、過去クリエイティブも同じボードで一覧できるので、振り返りがしやすくなりました。

広告クリエイティブの制作ではリアルタイムでのやり取りに加えて過去バナーの履歴を一括で参照できる運用を行っている。

ーそれは便利ですよね。

K:そういった作業が地味に面倒だったので、効率化につながっていると考えています。

宮脇:私たちのチームでは新しいツールを積極的に使っていきたいと考えているので、いろいろなツールを体験できるのは非常に良いです。さまざまなツールを活用されている御社のようなところとお付き合いできるのは良い刺激になります。

安心や信頼につながるスピーディなコミュニケーション

ー私どもとのコミュニケーションで、良いと感じられている点があれば教えてください。

宮脇:黒岩さんがクイックにやりとりしてくださっているので、信頼度は非常に高いです。うちのチームでも、納期がタイトな案件が出たとき、「黒岩さんならやってくれるかな」と名前が挙がります。今日も話題に出ていました。

ー先ほども開口一番、お話されていましたね。笑

宮脇:本当に頼りにしております。

K:施策が増えても、しっかりと管理していただけるのがありがたいです。一気に準備が必要なときも同時進行の案件があるときも、少し打ち合わせいいですかと声をかけていただいています。

黒岩:ほんのちょっとしたことですよね、文章だとお互いのニュアンスで伝わりにくいだろうなみたいなときなどは直接お話しするようにしています。

K:これまでも代理店さんとは電話でやりとりをしていましたが、どうしても長くなってしまっていました。でも今は、「明日のこの時間で、Teamsで」と決めておけば視覚情報も込みで効率的にやりとりができるので話が早いと感じています。

宮脇:この時間に、と決めているから、なんとなくで都度電話するよりスムーズですね。非常に黒岩さんへの満足度が高いです。

ー以前宮脇さんから、「BacklogでKさんが連絡されたとき、すぐに☆マークを付けてくれる」というお話も伺いました。

宮脇:そうですね、「読んでるよ」っていうのがすぐ伝わるので安心できます。

K:今も変わらず10秒後ぐらいに☆マークが付いています。

宮脇:読んでくれているとすぐに分かるのが嬉しいですね。

K:本当に対応が早いです。

宮脇:タイミングが悪くても、必ず拾って対応してもらっています。

ーこうした対応スピードが速さで御社が得られていることは何でしょうか。

宮脇:やはり安心感ですね。先ほどもお話したように短納期の案件が突発的に発生することが多いので、レスポンスが遅いとその分だけ進行が遅れてしまいます。その点、黒岩さんならなんとかしてくれるだろうという安心感があります。

黒岩:そんなふうに思っていただいているのは嬉しいです。

宮脇:信頼しています。

国内からインド、ヨーロッパ・アジアへ。デジタルマーケティングを活用したグローバル展開

ー最後に海外展開の話も。今回のインド市場展開への背景をお聞かせください。

宮脇:インドは元々注力するべき市場だと考えていました。そこに対してデジタルマーケティングに取り組むことは、私たちにとって大きなチャレンジでした。現地法人を日本側からもしっかりバックアップするために今回の施策を始めました。

ーインドを対象にウェビナーの広告施策を行いましたよね。この広告は一定の成果がありましたか。

田辺:ありました。厳密に広告が寄与したという明確な証明はしきれませんが、現地のメンバーの話では、過去3回のウェビナーと比較して、約6割申し込み数が増えたようです。実際に顧客になる可能性がある参加者の割合も高かったと聞いています。

ートライアルとしてGoogle広告とLinkedIn広告を行いました。

田辺:そうですね、でも未知数ですね。

宮脇:未知数なのと、広告が日本と比較して2桁ぐらいよく出るので、LinkedInのおかげなのか、Googleのおかげなのか、それともインドの市場の特性なのかというのがまだ分かりかねています。ただLinkedInがこの業界でよく使われているのは事実なので、今後も積極的に活用していく予定です。

ー確かに。媒体の特性以前に、インドの市場の特性の把握に役立つ広告にできているとよりよかったですよね。私どもの課題でもあります。

宮脇:そうですね、インドだけではなく、今後グローバル展開してくにあたってまだ各地の市場特性を十分に把握しきれていません。海外はそれぞれの国や地域で、大きく異なる特性があることは理解できますが、その特性をふまえてそれを踏まえて細かな調整までできているかというと、まだこれからだと感じています。

ー御社がグローバルに展開される際、日本でのデジタルマーケティングでの勝ち筋をとっかかりとできるとよいと思っています。我々も引き続き製品理解などに努めていきながら、国内でしっかりと成果を出し、グローバル市場の展開も要所要所で支援させていただけると幸いです。本日はどうもありがとうございました。

担当スタッフからのコメント

川上様とは常に密なコミュニケーションを取りながら、広告運用の伴走をさせていただいております。私自身、マシニングセンタという商材を初めて知るところからのスタートではありましたが、イベントに参加させていただいたり、刈谷のテクノロジーセンターを見学させていただく中で、私自身も商材への理解が深まりました。その理解は、クリエイティブや広告文の制作にも大きく活かせていると考えております。

また、リード獲得にも注力しながら、日々のやり取りを通じて良い成果を上げることができていると実感しています。Meta広告においては、配信開始に至るまでにいくつかの課題もありましたが、柔軟かつ協力的にご対応いただき、大変感謝しております。
ニッチな商材であるにもかかわらず、これまで接点のなかったユーザー層からの新規リード獲得にもつながっており、引き続きご一緒に成果を高めていければと思います。

ご依頼いただいたサイトURL:https://www.brother.co.jp/product/machine/index.aspx

デジタル広告コンサルタント:黒岩 美耶

ご利用いただいたサービスとプラン

「ブラザー工業株式会社様」さまにご利用いただいたサービスおよびプランは以下の通りです。

運用型広告支援/コンサルティング

ご利用いただいたプラン名

  1. リスティング広告/ディスプレイ広告運用
  2. SNS広告運用
  3. クリエイティブ制作

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