この商品みんなに教えたい! クチコミしたくなるブランド「ヒロインメイク」のソーシャルキャンペーン/伊勢半【企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場】
2016年05月19日
ライター:藤原 亜希子

Web担当者Forumの連載「企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場」を更新しました。
今回の取材先は、伊勢半様です。インタビュー、ライティングは『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』の著者 深谷歩さんです。

株式会社伊勢半 公式HP
株式会社伊勢半 公式HP

今回の「企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場」は、創業190年を迎える老舗化粧品メーカーの「伊勢半」様です。
少女漫画風のキャラクター「エリザベート・姫子」が印象的な「ヒロインメイク」をはじめとした、ドラッグストアやスーパーなどで販売するセルフメイク商品を全国展開しています。

ソーシャルメディアはクチコミを顕在化させる

【写真】大町 龍氏
株式会社伊勢半 開発本部
デジタルマーケティング・宣伝PR部 部長
大町 龍氏

伊勢半の商材は、美容部員による説明販売ではなく、お客様が自分の目で見て、あるいは調べて購入するセルフメイク品。だからこそ、ユーザーによるクチコミが非常に重要になっています。

すでにソーシャルメディア運用前から、「ヒロインメイク」などは大手クチコミサイト「@コスメ」で何度もランキング1位を獲得、ユーザーの高い評価を得ていました。

そうした状況の中、ソーシャルメディア利用者が増えてきている流れに合わせ、広告や店頭以外でお客様との接点を増やす機会として開始されました。

「ソーシャル×Webサイト」パートナーと二人三脚の運用スタイル

ソーシャルメディア運用開始に際しては、ユーザーと自然なコミュニケーションをはかるために、ソーシャルメディアについてリテラシーと知見の多いパートナーと組んで開始されました。そのパートナー選定の際には、Webサイトリニューアルも視野にいれた、包括的な視点を持っていたという点を重視。

いくらユーザーとソーシャルメディア上でコミュニケーションがはかれたとしても、そこから訪問してくれた公式サイトで求めている情報を提供できなければ、ユーザーは離れてしまう。ソーシャルメディア運用開始とあわせて、公式サイトのリニューアルも実施されました。

ヒロインメイク ブランドサイト
ヒロインメイク ブランドサイト

店舗の接客と同じようにソーシャルメディアを活用

ソーシャルメディアの運用ではユーザーのツイートにはきちんと返信しています。そうしたコミュニケーションが、販売形態として店舗接客がない分、接客の役割の一部を果たしてくれています。

またお客様とのコミュニケーションを重ねる中で、返信や投稿について、現在は肌感覚で判断できるようになった、とおっしゃいます。また、コミュニケーションの履歴はすべて蓄積し、担当者が変わっても、対応ルールなどについて判断できるような知見やレギュレーションの蓄積も実施されています。

1つの商品から別の商品も使ってもらうための仕掛け作り

商材ごとに売り場(棚が)が違うセルフメイク商品の場合、商材やブランドと、メーカーがお客様の中で紐づいていないことも多い。

そこで1年ほど前にファンサイトを開始、一つの商材やブランドのファンになっていただいたお客様に対し、他のブランドや商材を知っていただくきっかけを提供しています。

キャンペーンやアンケートの結果から、この施策は、お客様に別ブランドの商材を知っていただき、実際に購入していただくなどの結果につながっていることが見えてきています。

伊勢半ファンサイト
伊勢半ファンサイト

ユーザーの生み出す良いクチコミの連鎖

ソーシャルメディア運用を始めてから、「 @cosme 」などのきまったプラットフォーム以外でのクチコミも増えています。

さらに、例えばマスカラが「落ちなさすぎる」というクチコミは、耐久性を求めるお客様にはポジティブなクチコミとなり、逆に簡単に落としたいという要望を持っているお客様においては、目的外の商品であることがわかり、クチコミを通じて商品とお客様のマッチングができていく。結果として良いクチコミが広がるという展開につながってきているといいます。

インタラクティブなコミュニケーションをしていきたい

伊勢半では、ブログやInstagramなど複数のメディアを使っています。使用するメディアやツールが変わればコミュニケーションの方法は変わるが、伝えたいメッセージは変わらないので、あまり負担にはならないといいます。

ただソーシャルメディアは、個人ユーザーのパーソナルなコミュニケーションツールなので、使っているユーザーの視点に立つことを一番に考えるべき。

今後はユーザーにキャンペーン参加していただくだけでなく、ユーザーが直接意見をのべたり、投稿したりといった何らかのアクションをしてもらうことで成立する、インタラクティブな施策を考えていきたい、とすでに次の新しいプランが描かれているようでした。

WEB担当者フォーラム
企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

「この商品みんなに教えたい! クチコミしたくなるブランド「ヒロインメイク」のソーシャルキャンペーン/伊勢半」

  • ソーシャルメディアはクチコミを顕在化させる
  • 「ソーシャル×Webサイト」パートナーと二人三脚の運用スタイル
  • 店舗の接客と同じようにソーシャルメディアを活用
  • 数字にこだわらずに本来の目的を追いかける
  • 1つの商品から別の商品も使ってもらうための仕掛け作り
  • ユーザーの生み出す良いクチコミの連鎖
  • “眉”がドレスコードになる? ソーシャルメディア拡散の仕掛け
  • インタラクティブなコミュニケーションをしていきたい
企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場
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