AdWordsとGoogleアナリティクスの併用を最大限に活かすためのチェックリスト
2015年02月17日
ライター:寳 洋平

AdWordsの公式ブログInside AdWords2015年2月10日の記事「Best Practices: Combine AdWords with Google Analytics for Better Insights, Bidding and Results」に、AdWordsとGoogleアナリティクスを一緒に活用するためのベストプラクティスガイドが掲載されました。AdWordsとアナリティクスを使ってビジネスを拡大させるヒントが凝縮されていて有益なので、抄訳、補足しながらご紹介します。

AdWordsとGoogle アナリティクスはそれぞれ単体でも充分素晴らしいのですが、一緒に使うともっと威力を発揮します。AdWordsとアナリティクスをリンクすることで、あなたのウェブサイトと出稿している広告から精度の高い洞察を得ることができます。AdWordsとペアになったアナリティクスは、コンバージョンに結びつかなかったAdWordsのトラフィックを見る際、強力な役割を果たしてくれます。平均的なサイトのコンバージョン率が3%台と仮定しても、残り97%のトラフィックは改善次第でなおよくなり得ると考えられます。

詳細な洞察のためのデータ収集はAdWordsヘルプ「Google アナリティクスと AdWords をリンクする」を参考に、今すぐに始めることができます。
リンクによる恩恵は大まかにいって2種類あります。まずはアナリティクスの指標をAdWordsで見るところからはじめ、それからAdWordsの成果をアナリティクスで分析していきます。AdWordsとアナリティクス、両プラットフォームを横断するこの戦略でビジネスの成功を最大化させましょう。

すぐに確認できる10個のチェックリストは以下のとおりです。普段からAdWordsとアナリティクスを併用するマーケティング担当者にとっては、すでにお馴染みのものもあるはず。「これはまだやっていないな」というものからリンクをクリックしてご覧いただくのもよいでしょう。一方、「知っているよ」と思うもののなかに、意外な発見があるかもしれません。

前半の5個は、Googleアナリティクスの指標をAdWordsで見るもの。後半の5個は、AdWordsの成果をアナリティクスで分析するものです。

  1. 目標やEコマースのトランザクションをインポートする
  2. カスタマイズされたリマーケティングリストをつくる
  3. スマートリストを活用する
  4. サイト上で興味が持続しているAdWordsキャンペーンや広告、キーワードを知る
  5. 新規セッションの割合から、どんなキーワードが新規ユーザーを惹きつけているかを学ぶ
  6. 自動タグ設定を活用する
  7. ユーザー行動をセグメントして、AdWordsのターゲットユーザーを理解する
  8. アナリティクス上にあるAdWordsの詳細レポートでセカンダリディメンションを活用する
  9. アナリティクスのレポートでAdWordsのセカンダリディメンションを使う
  10. ベンチマークを使って競合に負けない方法を確認する

1.目標やEコマースのトランザクションをインポートする

コンバージョンは通常、購入完了やリード獲得に設定しているのが普通です。しかし、特定のページへの訪問やサイトでの一定時間以上の滞在、そのほかのビジネス上価値があると考えられる行動など、もっといろんなものが目標になり得ます。

Googleアナリティクスでは柔軟に目標を設定し、しかもそれらの目標をAdWordsのコンバージョンとしてインポートして使うことができます。これにより詳しい分析がしやすくなり、また、特定の行動を起こしたユーザーとして捉え、コンバージョンの数や種類を増やすこともできます。

アナリティクスで設定できる目標は4タイプあります。現在は通常のコンバージョンのみを使っていても、この機会に改めてコンバージョンの定義を捉え直してもよいかもしれません。

  • (1)目標
    サイト上の特定ページへの訪問。例えばお客様とのコミュニティを築こうとしているなら、新しいブログページの訪問を設定することができます。
  • (2)時間
    サイトに滞在した時間。ユーザーの興味を持続させ、深くのめりこんでもらいたい場合に使えます。反対に、ユーザーに情報をできるかぎり早く見つけてもらいたい場合にも使えます。
  • (3)セッションあたりのページビュー/スクリーンビュー
    訪問したユーザーが何ページ見てくれたか。滞在時間の代りに、見てくれたページ数によってエンゲージメントを計測したいときに使えます。
  • (4)イベント
    ユーザーがサイト上に設置されたYouTube動画などのビデオを再生した、商品をカートに追加した、ソーシャルボタンを通じてページを共有した、その他さまざまな行動を起こしたとき。特定のページに到達する以上に、ユーザーに具体的な行動を起こしてもらいたいときに役立ちます。

Googleアナリティクスの目標設定画面で目標のタイプを設定する

目標設定画面

これらのゴールはどれもAdWordsのコンバージョンとしてインポートできるので、広告を通じて生み出された行動を確認して、その効果を計測することができます。

これに加えてAdWordsでは、コンバージョンの値(価値)を捉えることもできます。アナリティクスでは、さらに深くまでトラッキングが可能であることをご存じでしょうか? アナリティクスでのEコマーストラッキングでは、商品の収益や税、送料、購入までにかかった時間もわかります。AdWordsでは、Eコマースのトランザクションをインポートすることで、トランザクション数と収益の値を確認することができます。これにより、アカウントの成果を直接、収益と結びつけることが可能です。

AdWords管理画面でアナリティクスのコンバージョンアクションの値を設定する

CVアクション値設定画面

マイクロコンバージョンを定義する

マイクロコンバージョンとは、ユーザーがサイト上で起こした小さいながらも価値のある行動のこと。例えば商品をカートに入れたとか、ニュースレターをダウンロードしたときなど。それらは直接には金銭的価値を持っているわけではありませんが、別の観点からユーザー行動をとらえることができ、ターゲットのユーザーにどのようにメッセージを伝えるべきかを教えてくれます。

いったんアナリティクスの目標をAdWordsにインポートすれば、カウントの方法やトラッキング対象期間(1週間から90日間まで)などを自由にカスタマイズできます。

コンバージョンのカテゴリ トラッキング対象期間
コンバージョンのカテゴリ
トラッキング対象期間

これらの異なるコンバージョン、マイクロコンバージョンは、AdWordsレポートの分割(セグメント)を使えばコンバージョン名で別々の成果として区別して追っていくことができます。

分割を使って異なるコンバージョンの成果を見る

分割を使って異なるコンバージョン成果を確認

参考になるAdWordsヘルプ:
Google アナリティクスの目標データをコンバージョン トラッキングにインポートする